僕の現在位置です
精神科病院を退院して数日。
まだ自宅の勝手が思い出せずにいる。
希死念慮が極まって、病院に電話して、任意入院が決まった日から、僕の部屋の時間は止まったままだ。
壁に掛かっているカレンダーは、5月のページから進んでいない。
病棟ではいろんなことを経験した。
患者同士の小競り合いは日常茶飯事、一触即発の事態が何度も起きた。
そのほかにも、看護師・補助スタッフからの陰湿な嫌がらせに始まり、主治医とのトラブル、
あまりにも杜撰な個人情報保護体制など、枚挙に遑がない(*注)という表現がよく似合う。
(*注)「枚挙に暇がない」の字は慣用書きなので「いとま」の字は正しい方を使いました
僕が入院する病院の選択を誤ったのか、それとも単科精神科病院というのは何処でもそういうものなのか。
今となってはよく分からない。
ただ一つ言えるのは、話し相手が主治医と看護師と MHSW(メンタルヘルス・ソーシャルワーカー)だけ、
という環境は、確実に自分の頭が馬鹿になる、ということだ。
幸いにも、入院初期からラジオの持ち込みが許されたので、
病床に持ち込んだアイワ(aiwa)のポケットラジオを聞いて過ごすようにしていた。
(30代後半よりも上の年齢の方なら、アイワと聞いて懐かしさを覚えるかもしれない)
ラジオといえば、娑婆のトレンドを耳に入れるとか、
音楽の最新ヒットチャートを聞くとか、そういう意味合いももちろんある。
でも、一番の目的は「病院とは関係ない人たちの声を聞くこと」。
そうしないと、フッ、と頭がおかしくなってしまいそうになる瞬間があるのだ。
これも「精神科病棟あるある」なのかどうか分からないけど。
音のない世界にいると、いつか頭がおかしくなって、生きていけなくなると思った。
今は、ソニーのウォークマンを買ったときにパソコンにインストールした
Music Center for PC を立ち上げて、入院前の記憶を辿るかのように、音楽を流している。
入院中に病棟に持ち込んだ機械類といえば、ポケットラジオと電気シェーバーだけ。
僕はスマートフォンは持ち込み不可。でも、余計な情報はシャットアウト、ある意味デジタル断食だ。
周りの患者たちは年齢問わずスマホ依存の状態。
1時間の院内散歩の時間にだけスマホの使用が許されるから、
散歩の時間になると一目散にスマホ置き場 兼 充電スポットに駆け寄って、自分のスマホを握りしめ、
意気揚々と庭に出ていく。そして散歩なんざ一切することなく、柱に寄りかかってずっと YouTube を見ているのだ。
「この人たちは何のために入院してんだ?」と心の中で呟きながら、半ば呆れた様子でそのさまを見ている僕。
こんな僕のことを周りの患者たちは「冷めた奴」と思っていたのだろうか。
何れにせよ、もう退院したんだ、もうそんなことは一切考える必要はなくなった。
頭のスイッチを切り替えなくては。
来週は外来診療でまた病院に行かなくてはならない。
心理検査の結果も伝えられることになるかもしれない。
結果を聞くのが億劫になっている自分がいる。
あと数日はスマホの電源も切って、ゆったりと過ごそうか。
お返事がもらえると小瓶主さんはとてもうれしいと思います
小瓶主さんの想いを優しく受け止めてあげてください
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