子供が欲しいと言い出したのは夫からだった
私は子供がいてもいなくてもどちらでも良かったけれど
改めてお願いをされたら叶えてあげたいと思い妊活をすることにした
だけどその後すぐ私が不妊症だと発覚
それでも妊活の意思は揺らがず不妊治療をすることを決意した
医師の先生から「不妊の原因は男女で半々なので、片方だけ不妊なのか2人とも不妊なのかハッキリさせた方が治療方針をしっかり固めて進められるので、旦那さんも検査を受けてください」と言われ
そのことを夫にも伝えて協力を仰いだ
そしたら夫からは「えー嫌だ」と一言
本当にたったその一言だったけれど
あの時の表情と声が今でも忘れられないくらい衝撃的で
今思えばこれが全てのきっかけだった
検査を嫌がるというのは何となくは予想していたけれど、こんな言い方をされるとは思ってもみなかった
なぜ嫌なのか理由を聞いても「うーん…」としか返って来ず
再度お願いをしても相手が首を縦に振ることはなく
結局相手の不妊検査の協力を得られないまま、半年間不妊治療を続けた
仕事を休んで病院に通い、食生活を見直したり飲酒も気を付けた
更に他に不妊の原因がないか調べるために、気を失いかけるほどの激痛の検査も2回やった
私が不妊症なのだから制限や痛みを伴うのは仕方がない
こんなことで根を上げてるようじゃ妊娠出産も耐えられないだろうと自分に言い聞かせた
だけど、相手からあんな風に検査を拒否されたことをずっと根に持っていて
どこか不公平さを感じていた
半年経っても妊娠に至らないので、医師の先生からも「旦那さんにも検査に来るように伝えて」と強く言われた
このままでは埒が明かないと、またこちらから検査をするようお願いをするのは嫌だったけれど
改めてお願いをしたら渋々だけど了承してくれた
検査の予約も説明も私が代わりに受けることになったが
やってくれるだけでも万々歳だと自分に言い聞かせた
なのに、相手に検査の説明をしている時「めんどくさい」と言われた
私は、本当に嫌な性格をしていると思うが「この人も不妊だったらいいのに…」と思った
その願いは叶ったか叶わずか
「不妊症の疑いあり」という何ともパッとしない結果だった
何度か検査をしなければ正確な結果は得られないということだったが
きっと再度検査を受けたりはしないだろう
検査結果を一緒に聞いていた時、隣の男は興味がなさそうな表情で壁の方を見ていた
子供が欲しいと切望したのはそっちなのに
何故ここまで無関心でいられるのだろうか
何故私は相手の願いのために不妊治療をやっているんだろう
不妊治療への意欲も、子供が欲しいという気持ちも下がっていく一方で
相手への不満は募っていくばかり
それなのに相手は自分がしたいときに私の体を触ってくる
それがだんだん許せなくて、不快で、気持ち悪くて…
生理が来るとほっとする自分がいた
もう子供なんかいらない
不妊治療もしたくない
こんなことを思っている自分は親になってはいけない
こんな人間のところに子供なんか来てはいけない
来ないで…
だから私は、不妊治療をやめることを医師の先生に伝えた
相手にはまだ伝えていない
夫婦生活も、やめた方がいいのだろうか
お返事がもらえると小瓶主さんはとてもうれしいと思います
小瓶主さんの想いを優しく受け止めてあげてください