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同性の友達が好きだった。それを、10年以上経った今になって思い出してしまった

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高校生の頃、1人の友達を好きになった
それが初めて『同性を好きになった』瞬間だった


彼女と出会ったのは中学生の頃
塾の夏期講習で、たまたま隣の席になって
けど当時はほんの数回話す程度だった
随分口数の少ない、おとなしい子…確か隣のクラスだったっけ…
そのくらいの認識だった

だから、高校が一緒になって、部活が一緒になって
高校生活のほとんどを彼女と過ごすことになるなんて、当時の私は思ってもみなかった


短髪で、細身で、シャープな顔立ちをしていて、女性にしては声が低めで、落ち着いた性格

博識で、俯瞰して冷静に物事を見れて、たくさん色んなことを考えながら少し難しい言葉を使って話すのが特徴的

けれど無口というわけではなく、ユーモアもあって感情表現も豊かでよく笑うし、歌も絵も上手でゲームもアニメも好きで
私と共通する趣味が多かった

そうして過ごしているうちに一気に仲が良くなり
友達の距離感というよりは限りなく恋人に近い距離感くらいの仲になった
スキンシップも多めだったので、周りからは本当にそういう風に見られていたと思う

お互いのクラスに行って話したり
部活終わりの誰もいない部室で2人でゲームをしたり
自転車を押して寄り道しながら一緒に帰ったり

その時はまだそこに恋愛感情は含まれてはいなかったけれど
彼女と過ごす時間がとても居心地が良くて幸せだった


それが1年くらい経ってから、その気持ちが友情では説明がつかない感情だと気づいた

驚きはしたけれど、初めて恋愛の本質を見た気がして新鮮だった

好きになるのに性別なんて関係なかった
そりゃ、考え方が違うと言われている異性同士で恋愛ができるのなら、同性を好きになってもおかしくはない

だから自分のこの感情が異常なものではなく「そうなって当然だ」と
自分のこれまでの恋愛観が180度変わった瞬間だった


けれど、当時の世間はまだ同性愛にあまり寛容でなかったこともあり
恋心を自覚してからはとても切なくて苦しい日々が続いた

異性間の恋愛と違って、まず相手も同性が恋愛対象になるかどうかが前提になる

それがもし「同性は恋愛対象として見られない」と言われてしまえば
友達ですらいられなくなるかもしれない

自分の気持ちを正直に伝えることよりも
友達でいられなくなってしまうことの方が恐ろしくて

だから私は、相手に恋心を抱きながらも決して気付かれてはいけないと
友達として一緒にいようと必死にその気持ちを隠すことにした

一緒にいて楽しいのに
こんなに好きなのに想いを伝えることができなくて
何度もその気持ちをぶつけてしまいたくなった


けれど結局、想いを告げることはなく卒業し、別々の進路に進むことになった

ほぼ毎日彼女と過ごしていた日々は
月に1回会えるかの頻度になって

やがて彼女への恋心も落ち着いていき
「叶うことがなかった、終わってしまった恋だ」と
私のこの気持ちは、人生の中で特別な意味を持つ恋愛だった大切な思い出として仕舞っておくことにした


有難いことに、今でも彼女とは月に一度は遊ぶ仲で、一緒に出掛けることもあればオンラインでゲームもする


彼女のことは大好きだ
それは親愛という意味で
心の底から大切に想っていて、ずっと友達として傍に居られたらいい…


そう思ってずっと蓋をしていたのに
一体何がきっかけだったのか …


10年以上経った今になってあの頃の熱情を思い出した

こんなに時間が経って、環境が変わって、生活も変わったのに
彼女のことを好きな気持ちが再び思い起こされてしまった


子供ながらの一時の恋じゃなかった
数ある恋愛のうちの一つなんかじゃなかった
本気で好きだったからこそ、特別だったからこそ、忘れられるわけがなかった


本気の恋だったけれど
あの時の私には彼女に気持ちを伝える勇気がなかった
何度も言おうとしたけど、その度に友達ですらいられなくなってしまうかもという考えが過って、怖くて
結局言えなかった、言わない選択をした

それにもし仮にうまくいっていたとして
周りから何と言われようとも、何があっても添い遂げたいという覚悟は
当時の私にはあっただろうか

私のことだ
世間の目や周りからの反対に流されて、きっと自分の意思は揺らいでいただろう
そう思うと、下手に彼女を傷付けるくらいなら進展させなくてよかったのかもしれない


ああ、でも…
彼女のことを考えると顔が熱くなって心臓が痛いくらい早まって
もっと彼女と一緒に過ごしたいと
守りたいと
他の人に渡したくないと
そんなことばかり考える

だけど、何を考えてもダメだ…
想いを伝えることすら叶わない


もう私は結婚をしているんだから
この気持ちは絶対出してはいけない

倫理的に許されない
知られてはいけない
誰も幸せになんてならない
自分で選択した道に責任を持たなければならない


気付かなければよかったのに
それを今になって思い出して、やっぱりあの時に気持ちを伝えていればと後悔するなんて

もう遅い、遅すぎる

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