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同性で友達で私の好きな人と髪型、私の煩悩と私欲 自分語り

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髪の毛をロングからショート(顎下ボブ)にした。なんで週の中にするんだと心底思うであろう、私も思った。母の都合はシフト制で決まるので土日で部活のない休みの日でもないと美容室なんて行けない。もともと髪の毛は伸ばしたかったし伸ばしてたからそんなに不便もなかった。次に切るときは短くしろとの父からのお達しでそろそろ挑戦しようと思ってたのも相俟って思いきって切ってもらった。まだ微塵も自覚してなかったとき長かった前髪だけを切って眉くらいの高さにしたらあの子はいわゆる宇宙猫になってリアクションが面白くて記憶に残っている。それを今度は後ろの髪とさようならするんだからもっと面白いだろうと思って寝癖と格闘しながら準備した。友達やら親友やらは思いきったねーとか似合っとるよーとかお世辞シャワーを浴びせてくるのは目に見えていたので感謝しつつ受け流した。クラスの友達の中でいつも遅く登校してくるあの子をテスト勉強をしながら待った。いつもより五分くらい早く後ろから入ってきたあの子にひらひらと手を振ると可愛い目をぱちくりしていつもの定位置に来てまたぱちくりとうるうるしたかわいい目を開けたり閉じたりした。濡れているところを見るに濡れながら登校してきたようだが喋らないことも加味すると自分の疲労感がヤバイのに相手の方がやばくて言葉が出ない状態のようだった。おはようには返事をしたがそこから先が一瞬止まった後テストの話になった。範囲を教えると勉強するために教科書やらワークやらを持ってきて復帰したての昨日の勉強の進捗を教えてくれた。随分と進んでいるようですごいやんと誉めていると今日の分のテストについてまた質問を受けたので覚えやくて重要そうな所をぺらぺらとめくって教えた。テストの話をしながらではあったが少し悪態つくように髪の毛切りやがってよと言っていたり髪の毛をさらさら触ったりしていた。人の流れに流されたのか意図的なのか後ろに立ったあの子の腕を少し引っ張って見ると素直にそれについてきて距離が近くなった。自分から地雷原に入ってしまいつつも、ちょっと役得しつつテスト勉強へと話の風向きが変わっていった。
放課後はあの子と二人きりでデート気分━とはいかずあの子の昨日の分の課題提出に付き合った。職員室の前まで一緒に行って後は向こうの用事が済むまで待つ。いまいちデートとはかけはなれるが最初に私が声をかけられたと言うのが良いものだよなあとチェスを始めた。まだ数手しか打てていなかったがあの子が帰ってきた、が、手にはまだ課題の一部があったので聞くと先生がいらっしゃらないようで四苦八苦しているようだった。戻ってすぐどうやら近くにいた先生に頼んでそのさらに一部は受け入れてくれたようだった。何でもない会話をしながら教室に戻ると親友は塾を開いたようで車の待ち時間の間中、前の席の子に数学を教えていた。それを横目に迎えで待たせている母のもとへ行くため声をかけて教室を出た。それと一緒にあの子も着いてきてくれた。うちもショートにしょうかな?と悩んでいるあの子にええやん可愛いけん似合うわと言うとやっぱりお世辞に聞こえたみたいで少し考えて、ショートの が見たいです。と少しというか大分私情入りの理由を述べるとめちゃショートにするわとふざけていた。それに笑いつつ楽しみにしてるわというと世界線が真面目にシフトしたのか切れたら土日に切ってくるわとえらく真面目に言っていた。馬鹿みたいでとても滑稽だけど私は少なからずあの子に振り向いてほしくて、少しでも可愛くなりたくて切った。だから理由はあの子にある。で、あの子も切ったとしてそれは私が見たいと言ったからという言い訳とも言える理由があるから実質私が理由だ。つまりこれは言い換えると相思相愛では?なんてかなり頭がおめでたいことが頭から離れない。あの子と似たような背格好だったから、だからこそ、また同じになるのが楽しみでうちもショートにしよっかなと言ってくれたことが嬉しくて仕方がない。一度部活の関係で双子と騙った。すると顔こそにてはいないが背格好は似ていたので本当だと信じる人もいたくらいだ。それくらい仲が良いということなのかそれとも見る目がないだけなのか何にしてもあの子の特別には変わらないので嬉しかった。私の方が長かった髪の毛は今やあの子の方が長いがまた似たようなそれも同じくらいの長さだと思うと嬉しい。
ふとあの子の髪を見たら少し伸びていた。いつも同じくらいの長さで揃えているのか定期的に少し短くなってはまた少し伸びてを繰り返していた。ああ、だから髪の毛について少し気にしてるのかなと思いながらそれぞれの帰り道に分かれていった。学校の中でのリアクションについてどうだったか母に話していると男子の視線は感じんかったん?と聞かれたのでそんなことスッポ抜けてたうえ今の好きな人が結構に隠し事なのでどうでもよかったし、何ならおなご達の視線というかお世辞の方が意識に残っている。取り敢えず目先の質問には答えたが脳裏を過った言葉は引っ込めた。やっぱりあくまでも私が好きになるべきであろう性別は男性なんだなと実感した。少し悪態ついているようにとられたようで追い討ちをかけるように彼氏の顔がはよ見てみたいわとかそんやんやと結婚できんでとかわちゃわちゃと嫌味みたいに言われた。実際問題私はモテないし、好きな人は同性だし、それが成就するかと聞かれたらするわけねぇじゃんって感じだし、特別特技があるわけでもないし、人間として別に素晴らしい面があるわけでもない。まあ私の人生は他でもない私のための人生だから精一杯謳歌するわ。
もうここ最近ずっとあの子のことばっかで頭がつるつるてん。心の皺と一緒に脳みそのシワが取れていってる。何をするにしても可愛いし、かっこいいし、何より映える。それを何と言えば良いかはあんまり分かってないけどたぶん美しいとか麗らかとかが一番近くて遠い。まだしっくりくるのは映えるかな。何で私球技大会あの子と違う種目選んじゃったんだろ。流れは流れでも逆らえば良かったかもしれない。え、でも一番写真撮りたい放題出来るじゃないの。煩悩の固まりすぎてもはや一周回って曇りなき心の持ち主すぎる。写真フォルダに最近あの子が多すぎてそろそろばれそう。
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