今回の台風で。不安な心情を体感した。
このまま死ぬのか。このままでいいのか。
悪夢を二日続けて見た。
余りにも他人のために尽くして来なかった、
自分のことだけを考えて何もできなかった
ことを悔いていた。だからと言って今まで
積み上げてきた以上のものはなすことは
できない。何をやって来たのだろう。虚しさ。
やがて老いて死ぬ。この当たり前の事実が全て。
よりよく生きるとは何だろうか。
認知症になり自らの汚物を塗りたくるように
なった男性の首に介護者が手をかける。男性が
消え入る声で「済まなかった、殺してくれ。」
と涙を流す。
病で徐々に体が動かなくなり、胃瘻になり、
食事を口から摂ることができなくなった女性。
一日に一回のデザートは唯一口から食べることが
できる。施設のコールを鳴らし、喋れない声で
「オウッ」と職員を呼び早く出せと急かす。
ようやく出てきたデザートに、わなわなと手を
震わせながら器を掴み取り、一瞬で呑み込む。
その後涙を流す。
口元がだらしなくなり、記憶力が低下し、
何も分からなくなりできなくなって、子供に
戻ったようだが体は大きな大人のまま。
これが老いるということ。
人生は解明しようとせずとも死に向かう道。
みんな分かってるけどそんなこと考えたく
ないから何とか楽しくしようと生きてる。
楽しみながら生きる、自分を受け入れる、と
言われても心に響かない。弱みを見せること
を拒絶しているから。弱みは愚痴だから人に
言ってはいけない。そんな自分は許せないと
思っていた。非常に苦しい。
弱みを隠さないこと。それだけで良かった。
何ができようができまいが、自分のためで
あろうが人のためであろうが関係ない。
諦めるとは、闘うとは、逃げるとは、生きたい
とは、死にたいとは、自分の弱みを知り、隠さ
ないことではないだろうか。