今日も沢山の小瓶が、浜辺に打ち上げられる。
嬉しさに文字まで踊っているものや、苦しさの雫が落ちて滲んでしまったもの。
誰かに聞いてほしくて、海に浮かべた手紙は私の元へ。そして、貴方の元へ。
時々、瓶の蓋を開けることさえ億劫になることもあるけれど、それでも遠く海を漂ってきた手紙を無視することはできなくて、気づけば目を通す。
共感したり、“もし自分だったら”って考えさせられたり。
どんな内容だったとしても、読み終える度に思う。
顔も名前も知らなくても、繋がる絆は在るんだ、と。
だから、私はまた瓶を開いて手紙を読む。たまにはこうして、自分から小瓶を浮かべてみたりもする。
“ありがとう”を込めて。