雨が降る。
雨が空から降ってくる。
どこからともなく
無駄なく降ってくる。
僕は雨が好き。
嵐が好き。
台風が好き。
僕が外に出ると
水が
風が
僕を取り巻く。
最高だ。
わくわくする。
水を飲んでみれば
雨の気持ちがわかる。
目を閉じて両手を広げれば
風を感じられる。
今日くらいは
少し暴れてもいいだろう?
そう聞こえる。
あぁ。存分暴れてくれ。
そう答えると
雨あしが強くなる。
風が僕の周りを回り始める。
そのまま
どこかへ吹き飛ばされれば
空へ水と一緒に
風と一緒に
木の葉と一緒に
空を飛べたら
どんなに楽しいだろう。
気持ちいいだろう。
雨と風と木の葉に巻かれながら
空ですっと消えられたら
どんなに
気持ちがいいだろう。
最高だ。
僕は雨が好き。
嵐が好き。
台風が好き。
僕が外に出ると
水が
風が
僕を取り巻く。
さぁ、こっちへおいで。
あぁ。今行く。
準備はいい?
あぁ。万全だ。
それじゃぁ行くよ。
よし。
1、2、3!!!
体が宙に浮く。
ふわりと。
水と風と木の葉が
僕を取り巻きながら
空へと上がっていく。
両手を広げて
水を飲んだら
雨の気持ちを
風の声を
感じた。
Lilann