とても大好きな人がいました。関係は所謂セフレでした。大学は違いますが同じバイトで同い歳の人でした。自分で言うのもなんですが、1年ほど1番近くにいた女性だったと思います

23歳女です。どこにでもある話です。とても長くなると思います。

とても大好きな人がいました。関係は所謂セフレでした。大学は違いますが同じバイトで同い歳の人でした。

自分で言うのもなんですが、1年ほど1番近くにいた女性だったと思います。当時大学生だった私はほぼ毎日学校終わりにその人の家に行き、ご飯を作り帰りを待ち、一緒にご飯を食べ、ゲームをしているのをみて、やることやって、少し寝て自宅に帰る生活をしていました。

その人には常に他に好きな人が居て、その話をする時はニコニコしていました。決して私に向けられることの無い笑顔を真近でいつも見ていました。私はその人の笑顔が1番好きでした。

その人は私にたくさんのことを教えてくれました。男性経験がなかった事が恥ずかしく嘘をついていました。きっとバレていたでしょうが、今となっては小さなことに過ぎません。

その人がギャンブルにハマり数万貸しては勝って返してくるようになってから少しずつ私の感情がおかしくなってきました。

マッチングアプリを入れているのも知っていました。だからわざと私もそのアプリを入れやり取りしてみました。その人が探しているのはセフレでした。

きっと私のことは一言言えば金を貸してくれて生でヤラせてくれる都合のいい人と思っているだろうと考えるようになりました。セフレの立場ですらない私はその人の傍にいられるなら、一時でも必要とされるならそれで構わないと思っていました。



クリスマスが近づいたある日、生理が来ませんでした。バイトの休憩中、ドラッグストアで検査薬を買いました。陽性でした。あの日ほどバイトに戻るのが嫌な日はありませんでした。

しかし最早その人の家に行かないという選択肢がない私はその日も夜家に行きました。

言うつもりはありませんでした。好きでもない女が急に妊娠したなんて言ったらもう会えないと思ったからです。

現実とは残酷なもので生理来たかと急に聞かれた私は咄嗟に誤魔化すことが出来ませんでした。ただ笑うことしかできませんでした。


いつも通りベッドに入り何故言わなかったのかと聞かれました。言うも何も今日わかったことだからと正直に答えるしかありませんでした。

初めてその人の前で泣いてしまいました。あぁ、もっとめんどくさい人間になってしまったなぁと考えていたのを覚えています。


次の日私は家に呼ばれませんでした。ついに終わりかと冷静に考えていました。


その次の日食べたいメニューと共に家に呼ばれました。まだこの家に存在してて良いのだと喜びました。

見たこともないほど綺麗に片付いたその人の家と旅行用の女性用ヘアオイルの袋のゴミを見ても泣きませんでした。ただ私の存在価値が無くなったんだなと客観的に自分を見ていました。


手術をする前の日、一人で大丈夫かと聞かれました。既に迷惑をかけまくっている私はこれ以上迷惑をかけられないからと断りました。


そこから1年ほど月に1度家に呼ばれる程度の仲になりました。



私は就職しその人は院生となりました。実家を離れ、初めての一人暮らしとなれない仕事をしている私にその人からLINEが届きました。

内容はお金を貸してほしいことでした。

またその人の中で必要とされていることが嬉しく感じました。

定期的に家に呼ばれるようになりました。



ある夏の日、車で実家まで送ってほしいと言われ車を走らせているとある話をされました。


いま彼女がいるがその子はヤらせてくれない。バイト先の他の子にすごく好意を寄せられていて何度かヤッっている。俺ってクズだけどどっちを選ぶべきかな、と。


よく泣かずに家まで帰ったと思います。その夜は仕事だったため感傷に浸ることなくただただ時間が過ぎていきました。




後日バイト先の子と付き合うことになったと報告されました。

『その子はね俺の事ずっと大好きって言ってくれるんだ。俺すごく幸せだ。』

私が1番好きなその笑顔で好きな人のことを語るその人は今までで1番かっこよかったです。



今私には付き合っている方がいます。とても素敵な方でこの人とずっと一緒にいればきっと幸せなんだろうなぁということは分かります。

しかし彼のことを好きかと言われると分からないです。一方的な隠し続けた好意とお金と身体が必要とされていた関係に浸っていたため、好きという感情がよく分からなくなっています。

真実が彼に露呈した時きっと私は罵倒されるのでしょう。誠実な彼はこんな女と運命を共にしたくはないでしょうから。

それがわかっていて私は全てを話していません。私は最低な女です。結婚できる権利など到底ありません。子供なんてもってのほかです。

私の願いとしては私の好きなその人にいつも幸せであって欲しいということだけです。



この話にオチなどありません。この小瓶を拾い、ここまで拙く読みにくい文章を読んでくださりありがとうございます。

最後にこんな女が日本のどこかに存在していたのだと頭の片隅に覚えていただけますと幸いです。