人間集団がある。何か目的を果たすのに一人の力では出来ないから、集団になって力を合わせる。集団をまとめるリーダーがいる。リーダーはありとあらゆるタイプの人たちを率いて行く。日本のリーダーは何処にいるのか。利益にならない人間は排除されるか、厳重指導され言いなりになるまで苦痛を与えられる。日本にリーダーなんていないんだろう。米国に従いなすがままにされてるから、それがそのまま私のような最下層の労働者へと伝播してくる。多様性を認め合える社会ではない。お金を稼ぐだけの単純な行為にも不要な気遣いが求められ、大切な事は教えず階級と秩序にこだわる。生きるためには卑屈にならなくては。そう思えてくる。これじゃダメだ。そうじゃないと正義の裁きを受ける。制裁される。さようなら。
私が死ぬとき、きっと周りには誰もいない。一人ぼっちで死に際の苦痛と向き合う事になる。心細く耐えがたい時間が待っている。とてつもなく孤独を感じるだろう。
お父さん、お母さん。俺は文句だけは立派に言えるようになったよ。お金にはならないけど。
テレビばかり観ていた。世間体ばかり気にしていた。自信をつけさせてくれた。夢を見させてくれた。勉強しろと言ってくれた。頭ごなしに叱ってくれた。犯罪に手を染めても許してくれた。今まで育ててくれてありがとう。
社会は上と下でハッキリ分断してる。上の人たちの生活は知らない。それはそれで大変なのだろう。下から這い上がってゆく気力も自信も実力もない。テレビマスコミが美談を取り上げて無知の油ぎった脳みそに火を注いで頑張れるほどのバブリーな熱狂とその余韻にひたっていられた俺ん家にもやっと氷河期が来たのかも。わはは。公務員だけど。
ブーブー言いながら、みんな働いてるよな。親父は酒もタバコもしないし、ママからいろいろケチつけられながら黙って従ってたな。俺を叱る時も、きっとマミーにケツを叩かれてたんだ。可哀そうな親父だ。何一つ文句を言わなかった。子どもの時は病弱で本を読み勉強をよくしていたらしい。農家で仕事の手伝いしながら国立の大学へ進み、奨学金とアルバイトをして卒業し、上級公務員になった。ママとは結婚相談所で出会ったんじゃないか。よく知らないが、そうだと思えてくるフシがある。女は結婚して主婦になる時代だった。家では随分ラクしてるように見えた。テレビの前で歌って踊ってた。甘やかしてくれた。山ほど習い事はさせられたけど。
なんで俺こんなんなっちまったんだろうな。
今の日本を取り巻く状況を短絡的に言いますと、一番強いのは企業です。日本のリーダー、行政のトップである総理大臣、政治家、各省庁の官僚は企業の顔色を常に伺っています。税金をたんまり払ってくれますから。政府にあんまり力が無いのですから、事実上日本にリーダーはいない状態なのでしょう。米国も同じようなもので、大企業は効率良く利益を生み出せる仕組みを確立し、利益にならないものは排除します。お金という価値が極大化し、お金以外のものが価値を失います。確かに多様性を認め合える社会ではありませんね。
現実問題として企業の奴隷にならなければ生きていけません。息苦しさと煩雑さの中、階級と秩序を叩き込まれ、低賃金に失望するのです。
これから、どうなるかわかりませんが、新しい価値を自分なりの生きる目的を見つけていきたいものです。