貧乏って悪だと思う。
小学生の頃から親に口酸っぱく言われた事だけど、お金を求めることは卑しい、お金に執着するな、お金の話題はいらやしい...などなど、お金から遠ざかるように意識させられてた。
大金を稼いで人格が変わった人の話や、大金持ちでも幸せになれなかった億万長者の話、今思い返すとお金は悪だと植え付けられていた。
でも、大きくなるにつれお金がどれだけ人生を左右するかを知ってしまった。
家は貧乏だったから親のおためごかしで子供の私たちに「お金を持っていても幸せになれないんだ」と負け惜しみの愚痴をこぼしてたんだと思う。
お金がない事で服はボロボロのお下がり、家はボロボロの借家、身だしなみにもろくに気を使えずボロボロの肌と髪の毛。
そして経済的理由の夫婦喧嘩、生活が切り詰められているから精神的に余裕もなく子供に当たり散らす。
清貧という言葉があるけれど、これは貧乏人の開き直りで使ってはいけない。
でも、親は自分たちを清貧の人だと暗示を掛けていた。
貧乏家庭から独立しても、貧乏性は染み付いていた。
貧乏だったせいで物欲を殺してそれを自分の意思だと思い込み、やがて学習性無気力みたいに必要な物があってももったいないと思い込んで買わなくなってしまった。
すごく惨めな生活を自分に強いてしまっていた。
冬は寒くても暖房代がもったいないからと指がかじかんでも暖房を付けなかった。
ある時なんでこんな苦行してるんだろう?と目が覚めて、好きな物を買ってみたら、不思議と性格が明るくなった。健康にもなった。
間違ってたことをしてたんだと気付いた。
今思うと、お金があったらボロボロじゃないからバカにされなかったし、流行りのものも買えて友達と共有出来たし、旅行や習い事に行って文化的な生活を楽しめたかもしれないし、塾に通ったりってレベルの高い学校に入れたかもしれないし、健康だったし、正直人生が変わったかもしれない。
大人になってもお金が無かった時代の呪いみたいなものって続く。
身体的にも人生の歴史的にも。
お金持ちで教育の為に贅沢させないのは、きちんと必要なケアをしているから問題ないけれど、貧乏は必要最低限すら出来ないから悪だと思う。
大人になるまであらゆる不幸はだいたいお金で解決出来ると知らなかったのもアホだけど、貧乏の環境に浸りすぎて貧すれば鈍するになってたのかもしれない。