あいつのことなんて、もうどうだっていいのに。理性的に考えると、俺があいつを好きであり続ける理由なんて、これっぽっちもないのに。かつて感じていたような甘美さや、愛おしさはもう何も感じないのに。
なのに、あいつを見ると、憎しみとともに、胸の高鳴りを感じる。
怒りと虚しさで今日も夜眠れない。
もうボロボロだ。あんなやつのせいで。
鈍感なあいつは、俺の苦しみも知らず、己の自己中さや傲慢さを恥じることもなく、何事もなかったかのようにスヤスヤ、あの可愛らしい顔で寝息をたてているのだろう。
悔しい、口惜しい。
ああ、夜くらい、穏やかに眠らせてくれ。