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小説「相乗り夜汽車は何処へ行く」星鏡編 第一項

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「さあ、次は綺羅の番だ。」
彼はそう言うと、僕をまっすぐに見つめました。
「僕の番って、僕は君に何をすれば良いのかな。」
「逃げようとするなよ。ここに来たってことは、絶対なにかあるんだ。」
生者がここに来る条件とは、肉体が生死の間にいること、そして生きづらさを抱えていることなのだそうです。
だけど僕は、それが自分に当てはまるとは思えませんでした。
「生きづらさって、君は何を言っているのかな。僕には人よりものを感じないって話、前にしたよね。」
「聞いた。脳の疾患か何かだろう。」
「まあそんなところだよ。分かっているなら、何でそんなことを聞くんだい。」
感情のない僕が、生きづらさを抱えることなんて在るわけがないと思うわけです。
それなのに、彼はずっと真面目な目をしていました。
その眼光の鋭さにどうにも居心地が悪くなり外を見ますと、こんな時に限って木々に隠れて星が見えませんでした。

暫くの沈黙を破ったのも、やはり彼でした。
「じゃあ分かった。言い方を変えるよ。」
彼は席を移って僕と向き合う形になると、人差し指をぴんと立てて話し出しました。
「俺は綺羅と出会ってすぐ死んだ。だから、もっと綺羅の話を聞きたいんだ。」
「僕と話すのはつまらないって皆言うよ。」
「馬鹿。面白さなんて陳腐な基準じゃない。俺はお前と腹を割って話がしたいだけなんだ。」
こんな言葉を、何処かで聞いたことが在る気がしました。
『俺は綺羅の思いを聞きたいんだ。俺から、親友から逃げないでくれ。』
(そうだ、これは優希の言葉だ。)
僕は全てを思い出しました。
その途端、全てを君に話したい衝動に駆られました。
「いや。今からする話は、僕が君にしたいから話すことだ。まずは……何故僕が感情を亡くしてしまったか、だね。」
僕は君の顔をまっすぐ見つめました。
「僕の人生、乗りますか。」
君は強く頷きました。

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