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姉を可哀想、哀れな人だと呟くたびに私は私を自分で慰めていたのだ。私は可哀想なヤツだ、心底そう思う

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いろいろぐちぐち恨みつらみを文章に吐き出して被害者ムーブをして暴言を秘密裏に吐いているうちに、母とのわだかまりはなんだか自然ととけてしまって、今では素直に接することができるようになった。どころか、感謝とか相手を気遣う気持ちが自分の中にはじめて心から生まれてきたことに驚いた。父のことについても、どうなるかは分からないけど、この調子だと次第にそうなっていくんじゃないかと思う。

でも姉についてはまだよく分からない。
姉については両親に比べてそこまで恨みがあったわけじゃない(その恨みの元凶であるのに不思議ではある)し別に自覚してる範囲では憎んでるわけじゃないけど、話しだせばそのうちに普通に接することができる(というかそうしなければいけないのだが)ものの、普通に生活していて突然姉からスマホに電話が掛かってきたときには咄嗟に居留守をしてしまうし、話し始めの瞬間はどうしても自分を守ろうと身構えてしまう。

自分勝手に振る舞わないと生きることができないくらい大変な人なんだ、と可哀想に思うのと同時に、その姉にこれ以上振り回されるのを恐怖に感じる。

大変な人、と一括りにできてしまうのはとても優しい行為で、そしてとても残酷な行為だな、と自分ではじめてやってみて改めて思った。

親に対する敬愛の気持ちがないから、これまで姉の病理について残酷すぎる分析ができていたのだと思う。今の私には無理だ。それを自分に認めさせるのは困難だ。もともと、それが正しいかすら怪しいところではあるし。
と、いうか、その分析もきっと極めてポジショントーク的なものであったと言わざるを得ないだろう。だって私は親を恨んでいたのだから。
多分私が姉を恐れ恨みながらも姉の病や親との関係について過剰に姉の肩を持ってきたのは、そういうことなのだろう。

とにかく、正直私は姉が苦手……というか、姉が生活の上で一番脅威だったときのことを自分の心と身体は覚えている、だからそう簡単には割り切れない、そういうことなんだろう。

姉に私の個人的なことを詮索されるのがとても恐ろしい、かつて彼女が癇癪を起こしたときに私のとてもプライベートでデリケートな部分を口汚く罵倒してきたことがたくさんあるから。それについて私が怒ることも反論することも、してはいけないことだったから。だったら自分のことはもうなるべく話さないようにしようと思ったのだと思う。

それと姉に安易に同調するのも怖い、それがなんでかはよく分からないけど。姉に私の生活や言動、思考、感情、一挙手一投足が干渉されるのが怖いからかもしれない。
ああ多分、一緒に住んでいたときのことを思い出すからだ。私の家族は、重度の強迫性障害の姉に完全に巻き込まれてもいたから。

数小瓶前(今は諸事情で非表示にしているがこれが流れるときどうしてるかは分からない)には姉を哀れに思うというようなことを書いたけれど、それは私なりに姉よりも自分が優れていることを証明することで姉に打ち勝ちたくて出てきた感情のようにも思う。
その証拠に、私は母や姉について話したカウンセラーが言った「〇〇/あなたのお姉さんは敏感(だったか繊細だったか、感受性豊かだったか、HSPだったか)なんだよ/なんですかねえ」という言葉をいまだに信じることができない。

そんな人間があんなにも酷くて恐ろしいことをできるわけがないでしょ?
と、いまでも私は心のどこかでそう思っているのだと思う。

それを言われるたびに「あいつらは本当はあんなことをしてきた姉よりもこんな風に訴える私の感受性のほうが劣ってる、私の方が鈍くて愚かだって言いたいんだ」という気分になってきたように思う。
今は、きっとそういうつもりで言ったんじゃないだろうってわかるけど。
いや、本当は、本当に、そうだったのだろうか。いまだに自分ではよく分からない。だから悲しくなる。それは、私が私の感受性においてはいつでも(勝手に)一定の誇りのようなものを持ってきた、というのもあるのかもしれないけれど。

実際には、どれだけ繊細で敏感であるかどうかと優しくあれるかどうかというのは一致しないのだろう。むしろ繊細であればあるほど、人が本当の他者への優しさを抱くためにその人に求められる人格の良さの閾値は高くなっていくのかもしれない。

それでも、俄かには信じがたいけれど。
私にはどう頑張っても、姉をそんな風には思えないから。
あんな人のことをそんな風に擁護して私のことを何も言わないのなら、それは私に対しての侮辱と同義だと、思ってしまったから。

まあ正直言って、私は対姉については自己評価がバグっていると思う。
感受性も現実適応能力も頭の良さも運動能力も体力も対人能力も人間としての完成度も忍耐力も、少なくとも姉よりは上だと、どうしても思い込んでしまう。
親が内心どう思っているかは知らないけれど、そこまで偏って考えてはいないように思う。

今気づいたけど、はっきり言ってしまえば、私は姉のことを恐れながら、見下しているのかもしれない。
というか、見下さなきゃ自分の中での辻褄が合わせられなかったのかもしれない。
自分がなんでそんなに理不尽な目に合わなきゃいけないのか幼心には全く理解できなかったから「私は姉よりもずっと大人でずっとよくできた子だから、私は可哀想で哀れな姉を守ってあげよう」「私は私にはよく訳のわからない理不尽な目に合っているのではなく可哀想な姉に合わせてあげているのである」ということにしたかったのだと思う。

だから自分が想定していない姉を評価・擁護する言葉に耐えられなかったのかもしれない。「私は姉よりも優れている」という神話が崩れるから。

ああ、それじゃ、もしかして、私が親のことを恨んでいたのは「姉よりも優れた私のことを姉より優先して守ってくれない、どころか姉が私に対して訳のわからない要求をするのを、よくわからない理由で暴言を吐いてくるのを全く助けてくれないなんて、そんなの許されていいはずがない」と考えていたからなのだろうか。

それは私のことをあまりに露悪的に表現した仮説にも思えるけれど、もしやそうなのかもしれないと思う自分もいる。そしてそう考えると、いろんな現象の辻褄が合っていくことに気がつく。

それがもし本当だったとしたら、私も大概哀しいヤツであったと思う。
そうであるのなら昔の私は「すべては姉より優秀であることを確かめるために、努力をし、物事に執着していた」そう考えた方が、自然になってしまうから。

姉を一人の人間として見ることができない、「大変な人」ではなく「哀れな人」と一括りにしてしまっているのは、もしかしたらすべて私のことなのかもしれない。

私は甚だ哀れな人間だ。
はじめてそう思った。
私は正しく最悪に歪んでいる。
擁護もできないほど。

姉を可哀想、哀れな人だと呟くたびに私は私を自分で慰めていたのだ。
家族に対して「自慰行為みたいな家族ごっこが気持ち悪い」といっておきながら、本当に笑ってしまう。本当に自慰行為をしてるのは果たしてどっちだったのか? そんなの、答え合わせをするまでもないだろう。

私は可哀想なヤツだ、心底そう思う。
自分がこんなにある意味自己愛の肥大した人間だったとは思わなかった。ナルシスティックだ。それこそ人格の障害だ。姉の人格の障害を疑っておきながら、本当は私の方こそおかしい。おかしくてたまらない。これまでほとんどその側面においては人を害してこなかったことを誇りに思いたいくらいだ。本当に、勝手にひとりで恥を晒したくらいで済んだのが奇跡的なように思う。

本当に私って哀れだ。

今までは自分が他人に可哀想な人間だと思われるのが我慢ならなかった。
私は自分のことを散々自虐しておきながら、別に他人に可哀想な人間だと思って欲しかったのではなく、ただ単に、そんな振る舞いをしなければならなくなったまでに至るまでの、このように姉よりも優れている私が受けてきたと信じている「権利の侵害」を誰かに認めて欲しかったのだ。
バカみたいだ。どこぞのレ〇ルスだよ。

私は哀れだ。
しかし今、なぜだかその哀れさを
私は心底愛おしいと思った。

人に哀れみを向けられるのは本来大嫌いなはずだった。
あの突き放すような目線が大嫌いだった。私という存在を芯から低評価する人間の存在が、大嫌いだった。そんな人間の存在を想像するたびに、身体中暴れ出したくなるような衝動に襲われる気がした。

だけど今、不思議と自分でその哀れみを感じたとき、その原因の所在を知っているとき、不思議と心が落ち着いた。
突き動かされる感覚もどれだけ頑張ってもどうしようもない感覚も、自分に対して芯からの哀れみを向けたとき、消えた気がした。
どれだけ怒りや嘆き、絶望、悲しみの文章を書いても満たされなかったものや、むしろ募っていった苦しみが、今にしてようやく、満たされた・解消された気がした。

私はおかしい、狂っている
そう素直に認めることができたとき
ようやく自分がうまく世界に馴染めない理由を知ることができた気がするから。
そのときようやく怒りにもコンプレックスにも左右されていない、本当に完璧に純粋な、哀れみという感情を理解することができたから。

やっと、自意識がひとりの哀れな人間に堕ちた気がするから。

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