私が入ってる部活はわりと強豪。メダルまでは貰えないけどその一歩手前までは行ったことのあるようなレベル。全国大会に向けての予選で、出場メンバーを決める校内オーディションがあった。出場出来るのは12人と、補欠で3人。それに対して、2.3年のメンバーは私を入れて13人。誰か一人が落ちる、そんな状況だった。最初はもちろん、落ちないために、予選にも参加したいがために練習しようとしてた。でもオーディションが近づくにつれて、中学で不登校になった時みたいに学校に行くのが怖くなってきた。何もしたくないとか思う毎日。元気だった頃とは明らかに違う状態。オーディションが迫ってるのに何も練習しようと思えないし、心を落ち着かせようと何回か学校も休んで。それでも全然治らない。結局オーディションの練習は全力出し切れなくて、あっけなく私が補欠になった。それでも、合格したメンバーと実力差がついたり、先輩との仲がそこだけ深まるのが嫌で、私もサポートとして練習に参加した。出来ることは何でもやったし、あなたがいてくれて良かったって思ってもらえる存在になれるくらい頑張ったはずだった。結果、予選はなんとか通過して本戦に。
本戦出場メンバーを決めるためのオーディションもあった。1年生も巻き込んで。今度こそは、って思ってたのに、まだ心は落ち着かないどころか悪化してて。オーディションの前にあった期末考査を全日休んだこともあって顧問からの目も、同じクラスの子達からの目も怖かった。「期末休んでるくせにオーディションには出るの?」って、言われては無いけど思われてそうだった。受かりたいけど、受かったらそう思われそうで怖くて、結局今回も全力を出し切れずに補欠のままになった。
去年1年だった時は同い年の皆で観客席から見てたあの世界に、今度は自分たちも立てる番。でも立てるのは私以外の、先輩と同い年のメンバー。補欠は私と、後輩2人。2年なのに1人だけ出場出来ないっていう、多分過去には無かったような状況。補欠は出場メンバーから5mくらい離れたところで、補欠席みたいなところに座って自分の学校のパフォーマンスを見ることしか出来ない。
ずっとずっと悔しかった。もっとパフォーマンスを良くするために、1人1人に何個も改善点を伝えたはずなのに全然改善する気のない同輩がいたり。私が言うのもよくないかもだけど、動きがズレてるのが分かってるはずなのに直さなかったり、物を取りに行ったりするスピードも遅かったり、部活の心得の一つである感謝を全然しなかったり…そんな同輩が何人かいて。出れない私の方が真剣になってるみたいで馬鹿馬鹿しかった。そんなにやる気ないなら私と代わってよ、って何回も言いたかった。私があの舞台に立ちたかった。大好きな先輩の最後のステージに、私も立ちたかった。一緒にパフォーマンスをした仲間として先輩の目に映って終わりたかった。でも、オーディションに負けたからにはそんなこと言えない。悔しかった。
本戦の入場行進の前も。みんなは衣装を着てるのに、同じ2年であるはずの私は後輩の2人と一緒に衣装じゃない別の服を着て出た。それも悔しかった。それだけで大きな壁を感じた。来年は頑張れって応援してくれてた2個上の先輩にも申し訳なかった。
パフォーマンスが終わってから、「あそこ失敗しちゃった」とか「あそこ上手くいってよかった!」なんていうみんなの会話が耳に入るけど、私はその輪に入れない。先輩と同輩みんながその輪にいるのに、私も2年のはずなのに1人だけその輪に入れない屈辱さ。悔しかった。
結果的に、上位校だけが出場できる特別大会への切符を勝ち取ることが出来て、またもう1回先輩とパフォーマンスできるチャンスができた。でも、この本戦が終わってからその大会までの期間を考えるとオーディションし直す時間なんてなかったから、そこも私は1人だけ取り残された。補欠のままになった。
先輩の本当に最後のステージにも立てなかった。最後の大会の時にはテレビ取材も来てて、より特別な時間になったけど。うつるのはやっぱり出場メンバーだけ。私も2年だけど映ったことはほとんどない。カメラが近くに来たことももちろんない。本番が終わって、またちょっとだけパフォーマンスの感想を口々にする時間があった。この時が1番壁を感じた。カメラも回ってる中、完全に出場メンバーと顧問の先生だけの空間が出来上がってて、私はそこに入ることすら出来なかったし入れてもらうこともなかった。仕方ないことかもしれないけど、私は私なりにサポートしてきたつもりだったし、出れない分学校が勝てるように支えなきゃって思ってた。でもやっぱり、最後に笑うのは出場メンバーだけ。パフォーマンス終わりも引退式の日も、「このメンバーでパフォーマンス出来てよかった」なんて同輩は口々に言うけど、その「メンバー」の中に私は入ってないんじゃないかって何度も思った。結局、出場したのは私以外の12人であって、私はただの補欠。こんな状況であろうと他の学校の人たちや大会側がそうなってるなんて知る由もないし、誰にもこの苦しみを伝えられる人なんかいない。私は出れないけど、出場メンバーだけにしか分からない会話を目の前でされるのも悔しかった。オーディション、ここのポジション取れなくて悔しいっていうのを私の目の前で言われた時も、私はそうだよねなんて言うことしか出来ないけどもちろん悔しかった。私は出ることすら許されなかったのにな、って。
全部全部悔しかった。でもこんなこと言える相手なんてどこにもいないからここにかかせてもらった。このまま不完全燃焼みたいな感じで溜め込むのも嫌だったから。次の大会は、さすがに人数のことを考えると私はもう部活内では最高学年だから、変なへまをしない限り出れるとは思う。絶対にいいポジション取ってやろうとも思う。けど、今回の大会で感じた悔しさは絶対に残り続ける。数年後には笑い話に出来るだろうけど、それでもこの悔しさはずっと残るだろうなー、
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