私のお兄ちゃんはすごく優しい。
お兄ちゃんのことを嫌いだっていう人に出会ったことがないくらい心の柔らかい人。纏う空気が柔らかくて、少し話せば優しい人だってみんな分かる。
そんなお兄ちゃんは頭もいい。自分から自信を表に出すことは決してないけれど、強い強い自信の根が心に張っているのが分かる。それくらいたくさん努力をしてきたのを私が一番近くで見てきたもん。
類は友を呼ぶという言葉があるけれど、お兄ちゃんの周りの人たちを見ていると本当にその言葉が分かる。お兄ちゃんの周りにいる人たちも優しくて、面白くて、お兄ちゃんみたいに魅力がたくさんある。
こんなお兄ちゃんの妹とは思えないくらい、私は優しくないし、思いやりもないし、頭も良くない。自分が居ると空気が悪くなるのをどこにいても感じる。いつも人の目を気にしてばかりで自分がどうしたいかよりも人にどう思われるかを優先してきたから、20歳になった今も自分は何ができるのか、何をしたいのかが分からない。お兄ちゃんのことは大好きだし、そんな優しい人が自分のお兄ちゃんであることにすごく誇りを持っているけれど、お兄ちゃんの妹である自分には誇りなんか全くなくて、思えば思うたびに自分が嫌になる。
お兄ちゃん「は」本当に優しい子。
あの子「は」とっても真面目な子ね。
お兄ちゃん「には」幸せになって欲しいわ。
周りの人たちはいつもお兄ちゃん「は」って。
じゃあ私は?
もう何も考えたくない
私が死んでもきっと泣いてくれる人なんていない
大好きなお兄ちゃんに嫉妬する度にどんどん自分が醜くなる
もうしんどい
生きていたくない
お兄ちゃんにもきっとこんな妹必要ないと思う
はやくどこかに消えてなくなりたい