名のない図書館へようこそお越しくださいました
そして、お待たせいたしました
ご注文の考えさせられる物語です
もしお時間があれば、少し覗いて行ってみませんか?
僕の色
この世界には色が沢山ある
人間に生まれたから、その色も見える
ある日、学校の課題で
『自分の色』という作文的なのが出された
中学3年生の受験の時期になんでこんな課題が出されるのだろうか
よくわからない
でも、自分の色か
何色だろ、考えたこともなかったな
クラスのムードメーカー的なあの子は『金色ダァ』とか言ってるし
みんなペンが進んでるから色は決まったらしい
僕の色は黒とかグレーな気がする
わからないけど
終わらない人は持って帰ってやれとか
ふざけてるでしょ
頑張って授業中には終わらせたいな
…嘘はつきたくないな
結局家でやることになっちゃった
周りを一周見渡すと、いろんな色がある
そうだ、透明
僕の色は透明にしよ
何色にもなりたくない僕にぴったりな気がする
僕はこれから染まる予定だから
誰かが染めてくれるはずだから
お帰りなさいませ
ご注文の考えさせられる物語
僕の色でした
お気に召していただけたでしょうか
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