音のでない声で話す。
音のないぶん、それはどんな色にもなった。
どんな形にもなった。
ぼくらがいる星は丸いけれど、
ぼくらがいる場所は棘だらけ。
見えない真実で、キャンバスは埋まっていく。
心はハート?
ガラスだま?
ば
ら
ば
ら
と、なんでもいいから言葉を紡ぐ。
糸を垂らして、
掴むかどうかは誰か次第。
重いからと、途中で切るのは私次第。
切られたからといって落ちるかどうかはその人次第。
眺める海は穏やかだ。
そして向こうの方で荒れている。
局地的に波が発生し、局地的に凪いでいる。変な海。
広いから、そんなもんか。
明日は雨だ。そして晴れ。時々曇り。
全部言って、全部大当たり。きっとどっかの世界ではそうでしょう?誰かの心のなかではそうでしょう?
君が間違った問題も、宇宙人のなかじゃ正解かもしれない。
ぽ
ろ
ぽ
ろ
と、落ちない涙が頬を濡らさず心に溜まる。
泣いてる君に「大丈夫」と、根拠のない言葉をかける。
怒ればいい。悲しめばいい。
ぼくはそばにいない。それでもここにいるよ。
「大丈夫じゃなくて大丈夫だから」
心配すればいい。焦ればいい。
つらくていい。つらさを何とかしたいと思っていていい。
ね、だいじょうぶ。
僕は
音のでない声で、空に話しつづける。