中3の時、ラブレターをもらったことがあるのね。
まだ携帯電話を持たせてもらえなかった時代で、直接告白出来ないなら、手紙を書くしかなかった。
そのラブレターが、部活で使う私のロッカーにねじ込まれていて。
最初は手紙だと気づかなかったの。A4サイズの真っ白な封筒に入れられた、書類みたいだった。
とりあえずカバンに入れて、部活に行って、帰宅してから開けてみたら、ラブレターだった。
まず、私を好きになってくれた人がいたこと。
手紙まで書いてくれたこと。
その手紙が、ルーズリーフ3枚にびっしり書かれていたことにも驚いたけど。
一番びっくりしたのは、相手の名前が書いてなかったことだった。
内容からして、私と同じく体育館で部活していた人なんだけど、うちの体育館ではいつも4つの部活が同時に練習していた。
体育館をどう使うかで色々な話し合いや確認があったから、違う部活の人ともよく話すことがあって。だから手紙の主が誰だか本当にわからなかった。
かと言って、まさか皆に手紙を見せて「この字、誰だかわかる?」なんて聞いて回るわけに行かず、当然返事もしようがなく。
手紙には「読んだらお返事下さい」て書いてあったけど…無理…。
結局、誰だかわからないまま、卒業した。
相手はきっとフラれたと思っただろう。まったく態度に出さない私を見て、薄情な女だと幻滅したかもしれない。申し訳なかったけど、どうしようもなかった。
で、そのラブレターは捨てられなくて。
最近、実家を片付けていたら出てきて、読み返したら胸が温かくなった。この人は、どれだけ勇気を出してこれを書いてくれたんだろう。それなのに何も反応されなくて、きっと悲しかっただろうな。
この人に「名前、書き忘れていたよ!無視したかったわけじゃないよ!」と言える時は、一生来ないのかもしれないけど。返事しなかった私のこと、嫌いになっちゃったかもしれないけど。
それでもいいから、今どこかで幸せになっていてくれたらいいと思う。
お返事がもらえると小瓶主さんはとてもうれしいと思います
小瓶主さんの想いを優しく受け止めてあげてください
名前のない小瓶
小瓶主です。
1通目様、ありがとうございます。
本当に懐かしい時代ですよね。
そう、「相手がわかっていたら、どうなっていただろう」と、私も何回も考えました。今だったら、もう少し上手に相手を探す方法を思い付いていたかもしれない。
子供ながらに「皆にバラしたら相手がかわいそうだ」と思い、誰にも言わなかった、中学生の自分もいじらしいものです。
手紙も思い出も、ずっと大事にとっておくつもりです。
それが私が相手にしてあげられる唯一のことだと思うので。
ななしさん
懐かしくてホロリとなりました。
今を生きている学生には考えられないことでしょうけれど、かつては「直接」か「手紙」くらいしか、気持ちを伝える手段てなかったんですよね。
個人で持てる情報機器は一部の人しか持っていなかったし、個人情報をはっきりと示さなければ、人の特定なんてできなかったような時代。
ものすごい勇気を出してラブレターを書いたのだろうに、一番肝心な名前を忘れてしまうなんて。
あなたには何の咎もないですが、ほろ苦い思い出ですね。
緊張のあまりか、想いを伝えることに必死だったのか、ポロっと空白ができて、うかつにも書くのを忘れてしまったんでしょうね。
名前が書いてあったら、その頃どんな続きがあったのか。
もう知ることは出来ないですが、キラリと光る記憶として、あなたの中に残っているのですね。
大事な思い出を書いてくださってありがとう。
お返事がもらえると小瓶主さんはとてもうれしいと思います
小瓶主さんの想いを優しく受け止めてあげてください