怠惰の治らない人間は、怠惰で困らないから治らない。本人の中では「治せない」のではなく「治さない」つまり「治す必要がない」わけなのだが、事実としては、これは「治せない」んだ。凝り固まった楽を抜け出せる精神性はこういう人間に備わっていない。今まで楽だけをしてきた人間が、いきなり戦えるわけがない。
そして、そういう治せない怠惰に悩んでいる人ほどなんでも「そこそこ」できてしまうので、他人に嫉妬しやすく、病みやすい。かといってそれは結局自分のせいで、それもわかっているので、永遠に悩み続けて、いつかおかしくなって死んでいく。
人の心は、そういうどうしようもなく入り組んだところまで来た。