止まった時計は排除される。正確な時計は尊重される。狂った時計は無視される。
動き続けるというタスクに疲れた。一生縛られつづける、生きるというタスク。
止まった良い時計は弔ってもらえる。
正確で力強い時計は尊敬される。
狂った時計は存在を許されなくなる。
私に流れる時間は残酷で過酷で痛くて苦しい。
狂った針を元に戻せないのなら、止まったほうが楽かもしれないと思った。
床に落ち壊れたはずなのに止まれない。呪いのようなタスク。
解いて欲しい。もう壊れた時計なんだから。
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3歳近くまで言葉が出せず、自分語を使い続けた今でいう「発達障害児」。他人とのコミュニケーションが上手く取れず、転向のたびにいじめにあい、天才の兄弟と比較され続け、病弱で親に迷惑をかけ続け、鬱と自殺未遂で家族に迷惑をかけてきた、、、今。
タスクを背負わせる人選を間違ったんだよ、橋から落ちそうになった2歳の時なんで助けたの?そのとっさの行動は、家族に癌を抱えることになった結果をみれば正解じゃない。
兄は天才だ、人を惹きつける資質と人を巻き込んで動かす行動力を持ってる。素晴らしい経営者だけれども、私を切れない非情さを持てないところが弱点だ。
弟は天才だ、その発想力と創造性にとんだアイデアと特許は、人々に幸せを与えられる。素晴らしい発明家だけれども、周囲を自分と同じと、私という無能を排除できないところが弱点だ。
母親は天才だ、国体での日本一を簡単に捨てて仕事と子育てに専念した。弓に未練はないの?続けていれば指導者として名をはせただろうに。
父を含めて父の家系も天才ばかりだ。大声優、大使館員、経営者、大学教授、会計士、祖父の夢だった終戦で叶わず仕舞いのジェットエンジンを今民間の会社で作る従弟は元気だろうか。
自分の無能さに惨めさを覚えることはとうに過ぎた。
私にはこのタスクは重すぎるんだ。環境のせいじゃない、恨むべき相手もいない、私が無能だっただけというシンプル。
自分らしく居るために「生きるタスク」という縛りのほどき方を知りたい。