ADHDと診断されて薬を飲み始めてからと言うものの、自分がこれまで背負ってきたハンデの大きさに初めて気付きちょっとびびっている。
私は昔から落ち着きがなかったし、注意力も全然なくて「おっちょこちょい」なんてよく笑われた。でもそれが自分らしさだと思っていたし、確かに困ることもあったけど、何やかんやどうにかなったり誰かが助けてくれたりして正直そこまで困ってはいなかった。(大人は手を焼いていたけれど)
でも高校生になってバイトを始めた頃、なんかみんなと違うな、あまりにも違いすぎるな、と思ってそこらへんから違和感を覚えるようになった。
とにかく色んなことを覚えていられないし、注意しても注意しても毎日のようにグラス割っちゃうし、会社の上の方のお目にかかったことのないようなお偉いさんが動くほどのクレームを起こしたこともある。(すぐ忘れることが原因で)
ただ唯一接客だけは好きで得意だったから仲のいいお客さんも多くて、何とかそこでバランスをとっていた。(とれていたのか?)
問題は大学に入ってから事務のバイトを始めた時で、事務はいくらニコニコしてようが関係ないし、正確性とスピードが大事だからそれはもう大の苦手分野。結局ミス連発して掃除しかさせてもらえなくなった。
他のアルバイトを始めようと思って面接行く日も、時間ギリギリ何とか電車に乗り込んだはいいものの携帯を忘れてしまい結局遅刻。そんな大事な時でも遅刻する自分に心底がっかりした。
行動範囲が広がるとともに責任も重くなっていく中で、だんだんとそういうので困るのが自分だけじゃなくて周りを巻き込んでいることが増えてそれが本当に辛くて、半年前くらいに意を決して受診。
診断がおりた時は少しホッとした。
薬を飲み始めてからしばらくしてだんだん効果が現れ始めると、うーんそうだな、感覚的には「今まで見えていたもの(その場において不要な情報)が見えなくなって、見えなかったもの(その後の見通しなど)が見えるようになった」感じ。
みんな元からこの感じなんだ、と思うと、今までの雑音と濃い霧の中を手探りでギリギリ生きてたのって、目には見えないけどものすごいハンデだったんだって思った。
だからって遅刻して待ってもらっていた相手の時間とか、私のミスのフォローにあたってくれた職場の人の労力とか、そういうのが返ってくるわけじゃないけど、私は特別時間を守れないしミスの多い人間なんだって客観的に評価されたからこそ、前よりも念入りに対策はとれるようになった。
もちろん薬飲んだから万事解決ってわけじゃないしまだまだ必死に生きていることには変わりないけど、だいたい何に気をつけたらいいのかの方向性が絞れたから、就職への恐怖もちょっと減った気がする。
勇気出して受診して本当によかった。このまま就職してたらきっと自分を責める毎日だった。障害は個性って捉え方もあるけれど、人に迷惑をかけ続けている以上私は絶対に個性だなんて思えなかった。
これからはもうちょっと楽に生きていけるといいな。