親に嫌われたくない、友達に嫌われたくない、先生に嫌われたくない、社会に嫌われたくない、
私はずっと周りをうかがって今まで生きてきた気がする。
そうしてたどり着いたのは、他人のような人生をただぼうっと眺める日々。本当の自分はどこに行ってしまったんだろう。今日も帰ってこなかった。0人でいることの寂しさで涙が溢れてくる。
けれどそんな私にも好きな人ができた。こんなに暖かい気持ちになったのは久しぶりで、彼と一緒にいる時間が、この地獄の中で唯一意味を持つときのように思われた。でも違ったらしい。彼には心から愛する人がいるのだそうだ。それを聞いたとき、ぷつんと蜘蛛の糸が切れた。私はまた0人になった。