気になること、嫌なこと、この浮世
さようなら。
透明が溶けた黒の世界よ
久しぶりだね。
ただいま。
会いたかったよ。ずっと。
音と闇の中をふわふわと漂うだけの時間。
忙しく浮かんでは消える思考を一旦停止する。
それがどれだけ自分の中で大事な時間だったかを
思い知らせるような苦痛のような月日が流れやっとあの世界に行けるんだ。
単調なリズムに聴覚が支配される。
暗闇と時たま浮かび上がる光とずっしり湿ったような空気。
ああそれだった。
忘れてしまいそうになっていたよ。
この世から少し別れることができる唯一の
漆黒の世界。