中学生の僕には慕っている先生がいる。Y先生だ。
Y先生は普段、教務を担当していて時間割などの予定を立てている。担当科目は理科だ。
僕の大好きな数学を勉強したノートを見せると、
「すげえなぁ。俺、こんなの見たら眠くなっちゃう笑」とか
最近読んだ本の話をすると、
「俺も読んだことある!あれ、おもしろいよな」とか
たくさん、たくさん話を聞いてくれて、誰よりも信用できる先生だった。
はずなのに…
今日、いつもの様に職員室の入り口でY先生を呼ぶと、
Y先生は僕のほうを見て、
「はぁ」と
ため息をついた。
仕事で疲れていただけかもしれない。
僕の聞き間違えだったのかもしれない。
そう信じたい。
でも僕には、そのため息が「迷惑」と言っているような気がしてならなくて、その場から
逃げた。
Y先生は逃げる奴が一番嫌いだっていつも言っていた。
こうやって、信用できたとしても、すぐにダメになってしまう。
誰も信用できない。
ダメ人間。