NHK番組『クローズアップ現代』を観ました。
虐待を受けた児童のその後を、密着取材した内容でした。
父親にベルトで叩かれたという話を聞いて、思わず声が漏れました……。
私も同じ経験をしてきたからです。
父曰く、私を叩く時に手を使わなかったのは、自分の拳で人に怪我をさせたことがあるからだと。
その後、カンフー映画が人気となり、私も本を買って、独自に体を鍛えたりしました。
そんな時、父から、
「お前は、絶対に殴り合いの喧嘩はするな。殴り方だけを知ってて、手加減を知らないその腕でやると、確実に相手に大怪我をさせる」
と言われ、ようやく納得した次第です。
手を使う危険を知っているから、物を使ったという父の持論は、正直、今も納得はいきませんが、自分がされて痛ければ、相手も同じなんだと、文字通り叩き込まれた私には、今の時代の親は、その傷みを知らなさ過ぎるとしか思えません。
手加減を知らないし、感情を抑えることすら出来ないから、赴くままに子どもを攻撃する…。
あれほど殴られ、蹴飛ばされても立ち上がり、最後は勝つというアクション映画が悪かったのか……
無表情に闘うだけの戦闘ゲームがいけないのか……
私には分かりません。
振り返れば、私は虐待ギリギリの体験をしてきましたが、父には父の想いがあったからと理解しているので、それを恨みには思っていません。
父はどんな時も真っ向からきていたからです。
だから、私も自然とそう返す様になりました。
番組に出てきた若者たちは、相手と目を合わせようとはしていませんでした。
それだけ、恐怖を植えつけられてしまったからでしょう。
それほど深い傷を負わされた子どもたちに、かける言葉が見つかりません…。
ここでも、ただ小瓶を拾い、メールを読み、かけたい言葉を模索しながら、書いては消しの繰り返しです。
それでも一つ、言えることは、
私はここにいます。
あなたの想いを受け止めたいから、ここにいます。
聞いてあげるくらいが関の山ですが、それでもちょっとずつ前へ進んでいると信じて、今日も流れ着いた小瓶を探しています。