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宛名のないメールは小瓶に手紙を入れて海に流すような場所です。
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通りすがりの狼 さんの小瓶箱
通りすがりの狼
狼の名前はふゆです。
狼はあなたとお話がしたいです。
週に一回、定期的に小瓶を流すことにします。
いつ流れ着くかはわかりませんが、狼はずっといますよ。
今年もたくさんの人間と、お話ができれば。
運営様、いつもお疲れ様です。
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小瓶(49)
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固定された小瓶
通りすがりの狼
164210通目の宛名のないメール
改・通りすがりの狼です。
・・・
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通りすがりの狼
ユーリさんへ。
どうしましたか。何がありましたか。狼の小瓶には何を吐いても構わないのですよ。
あなたが消えてしまう前に、狼に寄りかかってください。
・・・
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通りすがりの狼
みょみょかさんへ。
それは素敵ですね。憧れを求めて、そこに立ち向かおうとするあなたは、とても素晴らしいです。部活、狼も見てみたいです。
確かに、そのような高いレベルの中では、技術的な部分では「場違い」と言われることはあるかもしれません。けれど、狼の中でスポーツと言うのはそういうものだけでは成り立っていないと思うのです。
スポーツと言えど、所詮人と人。審判だって、礼儀正しい方を無意識に贔屓することもあるし、毎日遅くまで残ってひたすら練習したり、自己分析をきちんと行い、今の自分に必要なことを定めて、一直線に走っている選手には、監督からの信頼も厚くなります。
もちろん、ただ遅くまで練習するとか、体を壊すまで無茶するとか、そういうことが良いと言うわけではありませんが。
他には、そういったハイレベルな場で、周りと同じように戦っていくには、あなたなりの武器を持つことが、最も効果的だと思います。
それはどんなものでも構いません。ただそのチーム内では、これだけは自分が1番だと言うものがあなたの武器です。極端なことを言えば、スポーツであればマネージャーですら、1番を持つことができます。それは何でもいいのです。ただチームの皆が「これだけはあの人には勝てない」と思うくらい、あなたのそれを磨くことが、あなたの部活の青春になります。
スポーツで例えると、バスケットでシュートが苦手でも、ドリブルでボール下までは必ず持っていける。バレーボールでスパイクを打つことはできないけれど、サーブで点をとることができる。サッカーで、ドリブルもシュートも全くできないけれど、相手を分析し戦略を考える事は一番得意。
もっと極端なことを言えば、いつも移動が1番。リレーが1番。1番大きい声が出る。何でも良いのです。
狼は部活というものに、あまり詳しくないので、良いアドバイスにはならないかもしれませんが。
あなたがその部活内で輝ける場所を見つけられることを、狼は願っております。
・・・
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通りすがりの狼
もずくさんへ。
狼があなたの心の中にいられること、幸せに思います。狼の心の中にも、もずくさんがいますよ。
いつもありがとう。
・・・
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通りすがりの狼
Mepさんへ。
あなたが知らぬうちに、せき止めてた涙が溢れたのなら、狼の小瓶も少しは意味があったのでしょうか。あなたは無意識に、あなたの心を隠すようにしているのかもしれませんね。
泣きたくなることに必ず理由があるとは、狼もはっきりとは言えません。ですが、あなたがまた泣きたくなったら、狼のお隣で泣いてくださいね。
好きなだけ泣いたあとは、狼と星を見上げましょう。
・・・
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通りすがりの狼
みょみょかさんへ。
あなたは素敵な人間ですね。周りに流されることなく、あなた自身の目で相手のことを見ている。
難しい問題ですね。自分の好きな人間が必ず全ての人間に好かれるなんてことは、ほぼ有り得ないことですが、もちろん好いている本人からすれば、悪口なんて聞きたくないものです。
選択としてはもちろんいくつかあります。
今のまま現状維持する場合。友好関係も自分の気持ちも捨てずに、ただ聞き流す。けれど、狼はあなたにあなたの誰かを好きだという気持ちを押さえつけることなんて、してほしくはありませんが。
あなた自身も辛い選択です。貫くなら「この人たちは人の悪口を言わないと、他に面白い会話をすることも、自己肯定感を保つこともできないんだ。」ぐらいに割り切れないと、辛いでしょうね。しかも、そうやって見た相手とこれから先、良い友好関係が続くかどうかの保証もありません。
次に、友好関係を一度切り離す場合。この切り方には二通りあり、ひとつは「その悪口は、自分は面白くない」とはっきり伝えること。これは相手の受け取り方によっても変わります。お友達が悪口を辞めるか、距離を取ってくるか。リスク半分といったところでしょうか。
そしてふたつ目は、少しずつそのグループの中にいる時間を減らすこと。自然とグループから抜けることが可能です。正直、悪口はこれから先、一生続くことはないと思います。みんなが一生一緒の進路を進むことはほぼない。離れれば自然と話題にすることも減り、人生経験を積めば悪口を言っていた自分を幼く感じるかもしれません。
そうなった時、改めて連絡を取りあって友好関係が戻ることは良くあります。ただ一時的に距離をとる。今まであなたが築いた友好関係は、意外と長く続くものですよ。
狼がぱっと提案できるのは、この程度でしょうか。
それから、狼は実際にあなたのところに行って、仲介をすることはできません。ですので、あなたの好きな人間のお話、聞かせる相手がいないのであれば、狼に聞かせてください。狼もあなたのような素敵な人間が好いた人間のこと、聞いてみたいです。
あなたの純粋な気持ちが消えてしまわないよう、狼を綱に使っていただいて構いません。
またお話聞かせてください。
・・・
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通りすがりの狼
orangeさんへ。
言葉を紡ぐことには、なかなか難しいところがありますよね。相手がいるわけですから、何をどう言えばいいのか。自分の言葉が、そのまま自分の気持ちを伝えてくれるかどうかの保証なんてどこにもない。その言葉で、誰かが傷つくかもしれない、自分が弾かれるきっかけになるかもしれない。
あなたの口を押さえつけているのは何でしょう。恐れでしょうか。後ろめたさでしょうか。過去の傷跡でしょうか。
けれど言葉を容易に振り回さないあなたが、狼はとても好きですよ。言葉は諸刃の剣で、切れ味がとてもいいんです。それでおいしい料理が作れれば良いのですが。もちろん切れるのは肌も同じですからね。
それでも、あなたが誰かのためにかける言葉も、あなた自身の気持ちを吐き出す言葉も、どれも大事なものだから。どこに向ければいいかわからなくなった言葉は、狼に投げつけてくれて構いませんよ。狼は全部受け止めますし、拾いにいきます。それで、あなたが「これなら大丈夫」と思ったものを、あなたの大切な人に渡してあげてください。
叫びたいと思えば叫んでください。泣きたければ泣いてください。笑いたければ思う存分笑ってください。眠ってしまいたければ狼を枕に眠ってください。
そうしたらまた、ゆっくり言葉を探しましょう。それには狼もお供しますよ。
・・・
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通りすがりの狼
狼です。
まだ暑い日が続いていますね。四季折々のこの場所では、季節に記憶はマッチしやすい。四季がない場所では、逆に毎日思い出させられることにでもなるのしょうか。
あなたが季節の移ろいを気にすることなく、ただ風と共に過ぎ去るように軽やかに感じられればいいなと願います。たとえその風に黒い記憶が紛れていたとしても。
・・・
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通りすがりの狼
ユーリさんへ。お返事ありがとう。
あなたの願いを隠したのは、周りからの無慈悲な圧とあなたの優しさ。周りに頼ることは怖い。自分が頼ることは必ず負担になる。あなたはそうやって心を閉じたのですね。
狼は悪口というものは、誰しもが使ってしまうものだと思います。でもあなたはその相手に、悪口を返さないのですね。狼はあなたのその優しい心を見ました。狼に愚痴をこぼしてもいいのに。あなたはただそれを受け流そうと、頑張っているのですね。
そうやって狼の小瓶を探してくれたのなら、狼だってあなたの言葉を受け止めないわけにはいきません。けれど、狼の手も声も、何一つあなたに届かない。ただ届くのはこの文字だけ。だからいっぱい考えています。あなたが少しでも休めるように。
思うに、悪口を言う人間と言わない人間の差は、目を開いているかどうかだと思うのです。
噂や一時の行動、たまたまそれがマイナスのものだったとして、あるいは気持ちの吐き出し口に代償のない相手が見つかったとして。それだけを見て目を閉じた人間は、マイナスしか吐くことができない。代償がないのだから、自分に返ってこないのだから。こんなに都合のいいことはない。自分の不安や不満はそこに吐き出せばいい。そうしてプラスの存在を見逃してしまうのです。
目を開いておける人間は、裏と表、マイナスとプラスがあることを知っている。他人も自分も多面体であることを知る。自分の不安にも原因や終わりがあることを知り、不満を根拠ある意見に変換できる。本人には無意識に余裕が生まれ、悪口を吐かなくても平気になる。マイナスだけを吐くことは、自身をマイナスに染めることを知っているから、プラスとマイナスをうまく使い分ける。
人間は必ずプラスとマイナスがあるから、どちらも否定しない。そうやってたくさんの面を見ているのだと思うのです。
もちろん、そんな完璧な人間はほとんどいない。みんな開いたり閉じたり。けれど目を開くことは、そんなに難しいことではないとも思うのです。
狼も時々目を瞑ることがあります。それでもそれに気づけば、目を開くように努力しています。
あなたは目を開きつつあるのではないでしょうか。けれど、目を開くことってとっても疲れるのです。目を瞑った相手は容赦がないですから。疲れてしまうのです。
だからここでは目を休めてください。狼には好きなだけ、悪口を吐いてもいいんですよ。消化しようだなんて思わなくても、狼に向かって吐いたそれは、あなたを休めるものです。あなたがそれで楽になるのなら、狼にはプラスにしかなり得ません。
そばにいてほしいと言うのなら、狼はお隣に座らせてもらいます。愛してほしいと言わなくても、狼はあなたが愛おしい。あなたを救い上げる言葉が、まだ見つかりません。でも必ず見つけますから。それまでそばにいることを許してください。
長くなってしまいましたね。またどこかの小瓶で会いましょう。
・・・
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通りすがりの狼
雫さんへ。
お返事ありがとう。
狼の小瓶を拾ってくれてありがとう。
あなたが狼の小瓶に何か感じることがあったのなら、これ以上嬉しいことはありません。
狼に声をかけてくれた、優しいあなたに出会えてよかった。
ぜひ、またどこかで声をかけてくださいね。お待ちしております。
・・・
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通りすがりの狼
狼です。
それはぜひ、狼にも考えさせてほしいですし、教えてほしい事柄ですね。
本当は声で届けるのがいちばん良いのですが、今の時代は、自分が行くことのできない遠くの誰かと繋がってしまう時代。声を届けることは難しいですものね。
本当に匿名でいつでもお話が聞ける場所、ということしか、今の狼には思いつきません。
対面したりする、あるいは身近な誰か、知り合い、友達相手となれば、よっぽど信頼しているか、その相手に聞いてほしいと思わないと、言い出すことすら難しい。
悩みが晴れる時というのは、その人間自身がほしい言葉をピタリと返すこと。あるいは返答がどうであれ、自分が受け取ってほしいと思う相手が受け取ってくれた時だと思うのです。
だから助けてほしいと願う誰かを、助けることは難しい。
言いたいことを全部吐き出せて、聞きたいときに聞いてもらえて、全て受け取ってくれる。そういう場所が誰かの救いになるのではないかと思うのです。サービス形式で、時間を区切ったり、順番を決めたりするのではなく。一人のお客様、と見るのではなく。その人間自身と向き合ってあげられるように、と。
狼にはまだ、具体的に思いつくことができません。もっともっと考えます。あなたと共に考えていきたいです。
・・・
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通りすがりの狼
通りすがりの狼です。
あなたを納得させるほど、狼は賢くはないけれど。
あなたの心が楽しむことができなくなる程、疲れてしまったことを狼は少し寂しく思います。
疲れたという自覚は、あなたにないかもしれない。心の疲れは自分では気づかないことがあるから。
楽しいことにも悲しいことにも、心はエネルギーを使います。ただ楽しいことにエネルギーを使うことは、心は嫌がらないから気が付かないけれど。ふとした時、心がそのエネルギーすら出せない時に、楽しむことにエネルギーを使うことに気づくと、心が固定されて動かなくなる。
これは狼の推測にすぎませんが、無気力になることはあなたの心が疲れきってしまって、省エネをしないと壊れてしまう状態なのではないでしょうか。狼はそういう時には無理に何かを探し求める必要はないと思います。
ただ、あなたの好きなものを食べて、少し興味のあるものを見て聞いて、そうして心が休む時間を作ってあげられればいいなと思うのです。
口ではいくらでも言えますが、狼が何かできるわけでもありません。せめて狼はここにいますから。あなたのその溜まった黒いものの、吐き出し口にでもなれればいいなと思います。
またどこかの浜辺で、狼にお話を聞かせてください。狼はいつでもここにいますから。
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通りすがりの狼
狼です。
今月。お誕生日だったのですね。とてもとても遅くなりましたが、たくさんたくさんおめでとうとありがとうをあなたに届けます。
いつもお返事をありがとう。
あなたの声を小瓶に乗せてくれてありがとう。
狼を見つけてくれてありがとう。
狼を好きだと言ってくれてありがとう。
苦しむ中で、この海に歩いてきてくれてありがとう。
優しいあなたにありがとう。
愛おしいあなたにありがとう。
たくさんたくさんありがとう。
これではまだまだ足りないけれど、狼はあなたに出会えてよかった。死ぬ勇気がないとあなたは言うけれど、生きることを選択することにもとても勇気がいるから。
ありがとう。またどこかで会いましょうね。
・・・
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通りすがりの狼
通りすがりの狼です。
狼には人間の歩む道を理解することはできないけれど。
あなたが今生きているその環境が、異常だと思わないでいいのですよ。将来が見えないこと、不安ですよね。いつか楽になる日が来ると、きっと大人は言うでしょう。けれど、もしその大人がそういう経験をしていたとしても、あなたの今の不安が消しされるものではないのですから。不安を抱えている自分を、決して責めないでくださいね。
受験、就職、結婚。どれも人生の分け目と言って過言ではないものですね。
通り過ぎることは不可能ではないけれど、それ相応の力はいるわけで。それがあなたに備わって、上手くいくかどうかなんて誰も保証できなくて。
狼にはあなたの不安を取り除くことはできません。ただ、必ず人生にはそのチャンスというものは訪れます。これは断言できます。それを掴むかどうか、ただそれが不安なのですね。
狼が言えることは少ないですが、一つ言えるとすれば、あまり短すぎるリミットを作らないことをお勧めします。確かに時間に制限はあります。けれど、今の人間は焦りすぎだと狼は思うのです。そして、周りは焦らさせすぎだと思うのです。あなたが進んでいくのに、あなたがあなた自身を急かすならともかく、あなたの時間を急かすことをする必要はないのです。
あなたが押されて押されて、そのまま海に突き落とされてしまうことを、狼は見たくないのです。
今すぐあなたを決めないで。あなたの道はたくさんあります。綺麗事ではありますが、必ず曲がり道も分かれ道もあるのです。寄り道したっていいんです。
そして、辛くなったら狼とお話してください。狼はお話を聞く事しか出来ない、なんの力もない狼ですが。もしあなたが一時しゃがみこむ場所がないのであれば、狼がその場所になれればいいなと思います。
狼は必ず浜辺にいます。いつでもここへ。またどこかでお会いしましょう。ゆっくりと、海に抱かれながら。
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通りすがりの狼
狼です。
泣いてください。笑ってください。あなたのお話を誰かが聞かなくても。あなたがその相手と関係を切るという選択肢を取る前に。狼とお話してください。
狼はあなたとお話するのが楽しいです。いつも淡く心地よい言葉を、そっと置いていってくれるあなたが好きです。
狼はまたあなたの小瓶に、花を添えたいのです。
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通りすがりの狼
通りすがりの狼です。
神様が来る前に、狼とお話していってくれませんか。狼は人間の、あなたのお話を聞きたいです。教えてくださいませんか。あなたの歩いた道を。あなたがこれから進みたいと願う道を。
狼は浜辺で見ていますから。
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通りすがりの狼
狼です。
あなたがあなたの夢を追いかけることを、誰かが制限していいことなどあるでしょうか。
人間にしても、狼にしても、学ぶことに制限などありません。義務教育とか、学生年齢とか、そういう事は結局後付けであり、本当は人間によって力の入れ方やその時間は、絶対に違うのです。
だから狼はあなたの夢を応援したいと思うし、諦めてほしくないと思います。勉強と部活を両立する事は、とても難しいことだと思います。自分に合った勉強法を探すことも大変ですし、部活ではうまくいかないことや、人間関係でストレスが溜まることも多々あります。そんな中で自分の思う通りに道を進むことができる人間は、全てが全てではないと思います。
だから本当はあなたが「今」力を入れられる部活に専念し、やり切った最後で、夢に向かっての勉学に励んでほしいと思います。しかし、これは狼の勝手な意向で、現実そうならないからあなたは苦しんでいるのですよね。
狼があなたの生活や道を変える事はできませんが。
いつでもこの浜辺で、あなたの夢を聞かせてください。狼は、あなたのその夢を、いつかぜひ見せて欲しいのです。消えてしまわないように、消してしまわないように。狼にもあなたの夢を覚えていさせてほしい。
またどこかの浜辺で会いましょう。
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通りすがりの狼
狼です。
あなたより誰かが辛いとか、比較対象を探さなくていいのですよ。きっとあなたはそうすることで自分を騙さないと、心を潰されてしまうから、その前に自分で心を殺したのでしょう。
それでも誰かの幸せを願えるあなたに、狼は幸せが訪れることを願います。
ここであなたがまだ小瓶を流せているのなら、狼はまたあなたの小瓶を探して拾います。
どこかの浜辺ですれ違うかもしれませんね。その時には、また小瓶を流しましょう。
「今日、優しい顔の人間とすれ違った」と。
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通りすがりの狼
通りすがりの狼です。
あなたを残酷に引きずる時間を、引き止められたらいいのに。
あなたの小瓶を読むに、よくない環境での作業であることは明らかですね。あなたのことも周りの環境も、狼がどうこう出来ることではありませんが。
ここに来たら語らう、それしかできませんが。
またお会いしましょう。この海で。せめて疲れたあなたが癒されるまで。
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通りすがりの狼
通りすがりの狼です。
おそらく初めてあなたの小瓶を拾いました。
あなたを説得しようとも、慰めようとも思いませんし、出来ませんが。
言ってしまう前に、狼とお話してください。死にゆくことすら許されなかったあなたの声を、狼は聞いてみたいです。
あなたが吐き出すことすら出来ない世界で、唯一受け入れた海を眺めながら、狼にあなたのお隣に座ることを許してはくれませんか。
狼はあなたが行ってしまえば寂しい。けれど、止める手段も、具体的な理屈もないから。
せめてあなたの文字を、声を残してほしい。行ってほしくはないけれど、あなたの道を遮ることもしたくないから。
どうかこの浜辺で、暖かな陽の下、あなたが一時休める時間を。どうか。
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通りすがりの狼
ひつじのくぅさんへ。
お返事が遅くなり、申し訳ありません。
そうですね。狼もこれを使う相手には、少々価値観のズレを感じることがあります。死を受け入れることが劣なのか、そんな訳がありません。死は生と同じ、生物のプログラムであり、死は誰もが持っている。生と死は対義語ではないのです。
ただそれが、自然か「非」自然かということ。人間にとっての自然は「普通」。きっとそれから外れることは、異端なるものなのでしょう。
生きているだけで丸儲け。丸儲けが良いのなら、なぜあの子は自ら命を絶ったのでしょう。狼としてはこの言葉に意味を求めようとは思えません。この言葉は生きる意思に芽生えているものが、振りまける言葉です。それを良いとも悪いとも、狼は思いません。
ただ、狼はあなたの心をこの言葉で救おう、とも思いませんし、あなたがこの言葉がしっくり来ないのならば、耳を傾ける必要もありません。あなたの傷を否定するものに、優しいあなたが触れて傷つくのを、狼は見たくありません。
誰かの死は損得ではなく、誰かの中に残る新たな傷と悲しみですりただそれだけだけど、誰かが抱えるには大きすぎるほどの。
もし、ひつじのくぅさんがその「最終手段」に踏み出したのなら、少なくとも狼の中にはそれが残ります。
それをあなたが同情してくださるのか、それ以上に苦しいと思うのか、狼には知り得ませんが。もし、あなたがその苦しい状況下でも、狼に同情してくださるのなら、あなたが「生きているだけで」、狼は幸せなのです。
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通りすがりの狼
185456通目の宛名のないメール
狼が浮かぶ日。狼には具体性がありません。言葉を小瓶に入れて流すだけだから、抽象的な言葉しか使えません。きっと、狼の小瓶を見て、「何だこいつ」と思う方もたくさんいる
・・・
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通りすがりの狼
184204通目の宛名のないメール
「死にたい」と言えない世界から、狼はあなたを連れ出したいのです。
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小瓶の中の手紙を読む
通りすがりの狼
通りすがりの狼です。
あなたを説得する言葉を、狼は持ち合わせてはいないけれど。
狼よりもずっと悩んで、苦しんで、もがいているあなたが、人間でないことがありましょうか。狼は人間にはなれないけれど、あなたはあなたの人間の心を持っています。
狼はますます、あなたのお話が聞きたくなりました。
またどこかの海で会いましょう。その時は、狼も人間の気持ちが、少しわかるようになれるかもしれませんから。
・・・
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通りすがりの狼
しぐまるさんへ。
狼も、あなたと共に夜明けを見たいです。
またどこかで会いましょう。
頑張れ、しぐまるさん。
・・・
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通りすがりの狼
通りすがりの狼です。
死にたいと思うことに、今すぐ理由付けをする必要はないと思います。もちろん、それを取り除くとなれば、原因は探る必要がありますが。その時に無理やり引き出してくるのではなく、自然と自分を発見できれば十分だと思うのです。
誰かと比べてあなたが辛いかどうか、ではなく、あなた自身の心が泣いているかどうか、です。あなたが辛いなら辛いでよいのです。その時に、辛いと小瓶を流してよいのです。
あなたがせめて、ここで休めるように。この海があたたかくあるように。
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通りすがりの狼
ななしさんへ。
思いがけないところに、自分の心は落ちていたりするのです。
あなたのその涙が、あたたかいものであることを願って。
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通りすがりの狼
ひつじのくぅさんへ。
いいえ。狼は偽善者の先駆かもしれませんよ。狼が皆さんに何かする訳でもなく、綺麗事を吐いて去っていくのですから。
けれど、狼を探してくれる人間もいるから、狼は誰かのお話を聞きたいから、止まるわけにはいかないのです。
良いのです。頑張り続けるというのは、常に力を入れることではありませんから。脱力だって立派な頑張りです。力を入れる、ということは、抜いている時が必要なのです。力の入っているところに、入れることなんて出来ませんからね。
力を抜くことは、多くの人間が恐れます。だから、狼は恐る必要はないと訴えるのです。あなたの必要なタイミングで座っていいのです。
狼はそのお隣で一緒に座ります。一緒に座れば、怖くないでしょう。
いつでも、狼があなたのお隣に行きます。座ったらまた立てばいい。ずっと立っている必要はないのですから。
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通りすがりの狼
ひつじのくぅさんへ。
お疲れ様です。よく乗り越えましたね。あなたなりの生き方で。それで十分なのです。あなたの頑張りを、肯定してくれる先生がおられて良かった。
あなたの子の経験は、きっといつか宝物になります。その時までに、たくさん苦しみがあるかもしれません。その時はまた、狼の小瓶を探してくださいね。
誰かを祝える喜びを、狼にも共有してくれてありがとう。また、どこかの小瓶で会いましょう。
・・・
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通りすがりの狼
ななしさんへ。
狼の小瓶を拾ってくれて、ありがとう。
あなたが流したその涙が、この海の一部となれたなら、狼はとても幸せです。
狼のような人間。かっこいいじゃないですか。狼自身はしがない狼ですが、あなたが成る狼はとっても素敵な狼なのでしょうね。
狼はあなたが凛と立つ姿を、後ろから見守ります。そしてあなたが疲れたら、狼の大きな体で隠してあげます。
またいつか、狼の小瓶を探してください。星の降る夜空の下で、お話しましょうね。
・・・
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通りすがりの狼
依さんへ。
依さんが頼れる場所が、そこにも見つかって良かった。
あなたの思う道を見失わず、進んでいけることを願っております。道を見失ったら、狼と一緒に探しましょう。
良いんです。忘れても、思い出せればそれで。
狼のことも忘れるくらい、あなたがそちらで楽しく過ごせればいいなと思います。そしてたまに、狼を思い出してくれればそれで。
狼はいつでもあなたを見守っています。
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