通りすがりの狼です。
狼には人間の歩む道を理解することはできないけれど。
あなたが今生きているその環境が、異常だと思わないでいいのですよ。将来が見えないこと、不安ですよね。いつか楽になる日が来ると、きっと大人は言うでしょう。けれど、もしその大人がそういう経験をしていたとしても、あなたの今の不安が消しされるものではないのですから。不安を抱えている自分を、決して責めないでくださいね。
受験、就職、結婚。どれも人生の分け目と言って過言ではないものですね。
通り過ぎることは不可能ではないけれど、それ相応の力はいるわけで。それがあなたに備わって、上手くいくかどうかなんて誰も保証できなくて。
狼にはあなたの不安を取り除くことはできません。ただ、必ず人生にはそのチャンスというものは訪れます。これは断言できます。それを掴むかどうか、ただそれが不安なのですね。
狼が言えることは少ないですが、一つ言えるとすれば、あまり短すぎるリミットを作らないことをお勧めします。確かに時間に制限はあります。けれど、今の人間は焦りすぎだと狼は思うのです。そして、周りは焦らさせすぎだと思うのです。あなたが進んでいくのに、あなたがあなた自身を急かすならともかく、あなたの時間を急かすことをする必要はないのです。
あなたが押されて押されて、そのまま海に突き落とされてしまうことを、狼は見たくないのです。
今すぐあなたを決めないで。あなたの道はたくさんあります。綺麗事ではありますが、必ず曲がり道も分かれ道もあるのです。寄り道したっていいんです。
そして、辛くなったら狼とお話してください。狼はお話を聞く事しか出来ない、なんの力もない狼ですが。もしあなたが一時しゃがみこむ場所がないのであれば、狼がその場所になれればいいなと思います。
狼は必ず浜辺にいます。いつでもここへ。またどこかでお会いしましょう。ゆっくりと、海に抱かれながら。