私は誰にも本音が言えない。
誰かにそばにいてほしい。誰かに聞いてほしい。誰かに愛してほしい。
でも
嫌がられたら。変な目で見られたら。嫌われたら。
怖くて怖くて、誰にも言えなくて。
結局いつも、みんなに好かれる、優しくて真面目な噓のじぶんを演じてしまう。
そんな自分、大っ嫌いなのにな…
でも、噓の私はみんなに見てもらえて、笑ってもらえる。だから噓をつく。
そんな自分が嫌で嫌でたまらなくって。
だから、そんな自分が嫌だから、そんな自分を否定するために、勇気を出した。
優しくて、とってもいい子。その子に一度だけ。たった一度だけ本音を言った。
誰かにそばにいてほしいこと。普段の私は作り物だってこと。そんな自分が嫌いなこと。さみしくてさみしくて仕方がないこと。
愛してほしい。寄り添ってほしい。
そう言った。
言いながら私は泣いてしまった。何も言えなくなった私の背中を、ずっとなでてくれるあの子。
次の日、学校に行ったらその子が話しかけてくれた。でも
「昨日、つらいのに話してくれてありがとう。本当につらそうなのに、ごめんね」
そう言いながらあの子は目に涙を浮かべていた。
「ごめんね。ごめんね。助けられなくて」
何度も何度も謝っていた。悪くないのに。悪いのは、私なのに。
あの日からもう、誰にも本音を話さない。
あれほど愛してほしかったのに、愛されることすら怖くて。優しいあの子を、傷つけてしまった。
「私は、なんで生きているの?」