二十歳前夜の小瓶。
十代のうちに死ぬのかと思っていた。
十代のうちに自分を諦めるのかと思っていた。
二十歳前夜、今もそう思っている。
十代という括りに身をおける最後の日。
命を絶つなら今日しかない。
けれど、別にいい。
まだ死ぬ必要はない。
決して生きる必要があるという意味ではない。
それでも、惰性でももう少し生きるつもりなのは、
成長したからなのか
僕が臆病なのか。
誕生日は嫌い。
6年前も、3年前も、父を酷く怒らせた。
今年も怒らせないようにしなきゃ。
産んでくれてありがとうなんて綺麗な言葉を口にできるほど、私は生きる意味を自分の中に持っていない。
子どもの頃の話をされると、嫌悪感しかない。
お酒の味を、別に知りたいと思わない。
お酒が飲めるようになったら、世界が変わるのだろうか。
私の望むようには変わらない気がする。
中身は子どものまま
身体だけ大人になって歳をひとつ重ねる。
気にしないでいよう。
明日は普通の日。
年齢が変われば世界が一変するわけじゃない。
今はまだモラトリアムの中で、微睡んでいたい。