中学校、部活は陸上部だった。
「ただ走るのが好き」だったから。
毎年夏休みには毎日学校で駅伝の練習。
私は体力が人一倍無くて、準備運動の10分間走にも着いていけない落ちこぼれ。
種目は短距離だったけど、陸上部は駅伝練習には強制参加だから、体力作りの為だと思って頑張った、2年間。
本練習の長距離走ではみんなより何周も遅れてた。
何日もすれば体力もまぁまぁついてきた、と言って良いのか。
10間走は着いていける様になって、「私もやれば出来るんだ」って嬉しかった。
でもまだ本練習には着いていけてなくて。
足が動きにくくなっても頑張って頑張って前に進もうって止まらないように止まらないように少しでも前にって。
頑張ってたら、ちょうど前を通った顧問に言われた。
「悲劇のヒロイン気取ってんじゃねぇよ」って。
まあまあ大きい声で。校庭にいた人は聞こえてたと思う。
まだ、足らなかった。
もちろん、私は代表には選ばれなかった。
当たり前だよね。うん。
でも、今でも思い出す。
私の走ってる姿はそう見えたのかな。
自分で頑張ってるなんて言っても、周りが分かるわけないもんね。
足らなかったんだ。もっともっと。
人より出来てないなんて最初から分かってたのに。
ごめんなさい。
私みたいなのが、頑張ってるなんて言っちゃいけなかった。