産んでもらってよかった、と思ったことはない。
うちは父親がめったに帰ってこなかった。何事も、わたしのせいになった。お金がない、肩が痛い、首がいたい。とにかく「あんたのせいで…」
私が犠牲になり、弟は守られた。
私は母に、馬鹿女と呼ばれた。
母はある宗教にはまっており、トイレにはその宗教雑誌があった。
輪廻の話とか、死んだら今までの行いがスクリーンにうつし出されて、天国行きか地獄行きか裁かれるとか書いてあった。
ほんとに信じてるんだろうか?といつも疑問だった。
もし信じているなら、日頃の暴力、暴言は罪にならないのかね?信じてるのに、なんで他人の悪口をいったり、罵ったりできるのかすごい疑問だった。
機嫌が悪いと、飯を抜かれるし、叩かれるから、とにかくいい子にしていた。
たたく、わめく、叫ぶ。この人、何様なんだろうと思った。
まず自殺を考えた。次に母親を殺すことを考えた。小さい頃から毎日、死にますようにと祈っていた。
時が経って家を出た。
家に帰ってこないのか、うちから会社に通わないのかと連絡があった。
こいつはやっぱり馬鹿だと思った。サンドバッグが居なくなって、寂しくでもなったのか?馬鹿は死んでもなおらないと思った。
自分が今までしたことは、全部覚えてない。
母は何で子供を産んだんだろうと考えた。たぶん、幸せごっこがしたかったから。
自分の満足いく聡明な子をまわりに自慢して、毎日帰ってきて家の手伝いをしてくれる夫が欲しかった。けど、ダメだっから、できの悪い子供はいらないし、邪魔になった。
ああ生んでくれてものすごい迷惑。
誰に非難されようが、私は親孝行しない。葬式も行くかわからない。
そして子供もいらない。
子連れを見るとぞっとする。いろんな意味で。
親殺し、ニート、ひきこもりのひとには共感する。親を殺して自分が人間として生きるのは悪いと思わないし、
無理に働く必要もないと思うし、そとに出たくないのも、出られないのも仕方がないと思う。
たまにふと昔を思い出して、むかむかする。こんな記憶は消したい。楽しいことだけ考えていたい。不幸になりたくない。
私は幸せになりたいし、成功したい。もうあいつの言うことは聞かない。あいつのいうことを聞かなくたって、ご飯は食べられるし、叩かれもしないんだから。