カチ、カチ、カチ
秒針の音が五月蝿く響く
この部屋には誰もいない
私という存在すらも薄れている
もはや今の私というものは
私を私たらしめる個性
――言うなれば
何かが好きであるとか
何処かに所属しているとか
そういった私の輪郭を象るもの――
それが分厚い霧に覆われてしまっているのだ
もっと言うと
その霧というのは
例えば虚無感であったり
諦めであったり
私を殺そうとしてくる感情たちなのだ
その反面、私は焦っている
このまま時間に流されるだけでいいのか、と
今の私というものは
焦りから構成されているのかもしれない
カチ、カチ、カチ
ああ五月蝿い
なぜ秒針は、自らが進むことをここまで大きな音で主張してくるのだ
私は責められている
私が何もせず
「焦ってはいる」ということだけで許されようとする
醜い生き方を責められている
違うんだ
私だってなりたいものや憧れくらいあった
そして私は私の出来うる限り努力してきたつもりなのだ
でも私は何者にもなれなかった
疲れたのだ、何もかも
そうだ
何も違うことなんてなかった
今の私は焦っているだけなのだ
そして
私は裁かれたいのだ
なぜこんな生き方をしているのかと
酷く糾弾されたいのだ
それなのに
私は未だにこんな部屋に閉じこもっている
そのことも責め立てられたいのだ
カチ、カチ、カチ
秒針の音だけが、静かに五月蝿く響いている
お返事がもらえると小瓶主さんはとてもうれしいと思います
すごくやさしい言葉をかけてあげてほしいです