25714220.休暇も中盤に差し掛かり、たまの休み、昼前に起きれば良いじゃない……そう思っていても、意識に染み込んで来る静けさに鞭うたれて布団から這い出る。火をつけないままに咥え煙草をして、洗濯機を回したら、年の瀬の大掃除も終わってしまっているからもう特別やることも無しに。
気まぐれにアパートの共用部の蜘蛛の巣取りと埃の掃き掃除をして、数日前から居座っていた鳩を止むを得ず追い出して来ました。別に、大人しくしてくれているのならそのままでも良かったのですが、玄関から出入りする度にけたたましい羽音を立てて飛び回るので、致し方ありません。
こんな寒い日にさ、一匹で、こんなところで何してんのよ。とか何とか思うと、ちょっと心苦しくなりましたけれど、もういい加減にするんじゃい! 私、結構、素早く動ける方なので、閉所に居る鳩なり雀なんかは手で捕まえてしまいます。じっと手の中を見てみると、鳥って結構気持ち悪い。
一通り掃除の済んだアパートの廊下は、思いのほか空気が澄んでいるような感じがして、静かすぎて、酸素が滞留して沈んでいくような、冷気が私のぼろくなった右足を伝って首筋に這い上って来るような、そんな冷やかさがしました。
筋トレでもするかなぁ、けれども若干関節にダメージが溜まっている感じもして、とは言え車で出かけると道路も駐車場も混んでいるので、寒さに関係なく出不精になってしまいます。
――昨日は本を買いに珍しく古書店の並びを歩いていて、帰り道の夕方頃、霙交じりの雨が段々と粒の大きい雪に変わって、街を押しつぶすように圧し始めたので、いそいそと雑居ビルのバーへ避難して、体の温まった頃合いに駅へ。交差点には黒山のような人だかりがあって、信号が変わると、それがざあっと動き始める。それぞれがどこに向かっているのかを私は知らず、ふと、じりじりとする夏の昼下がり、バッティングセンターの喫煙所に置かれた誰かの飲み残した缶ジュースに群がる蟻たちが列をなして歩いていたのを思い出す。私が意地悪をして、その列に靴を下ろしてみると、蟻たちは無関心そうに靴を避けて歩き続けていた。そのたくましさは美しかった。
車中、隣に立っていたサラリーマン風の男は少し猫背で、窓の外、雨雪の巷をぼんやり眺めていた。男はどこか顔色が悪いように見えた。時々、その顔を横目に眺めて、その目元を見ていると、際立ってうすら寒い感じが私の苦痛に触れて来る気がした。矛盾を抱えて日を送っていると、自分の中から流失して行くような不安を覚える。
――先日、ブルべ冬と云う言葉を知人に教えてもらって、ちょっと感心。種々の言葉が溢れ返っていますけれども、何だか面白いですよね。色彩豊かなサラダボウル?何だかそんな感じ。混ぜろ混ぜろ! 冬服のカラーは黒が好きで、かわりにマフラーなどは派手な色合いのモノを使うのが好きです。今晩は不動尊に一年分の小銭を捨てに行って来ます。巳年ももう終わり!
お返事がもらえると小瓶主さんはとてもうれしいと思います
小瓶主さんの想いを優しく受け止めてあげてください