追い詰められないと動けない人はいる
私はそのひとりでもある
今まで、理由をつけて病院に行くことも、支援を得ることからも逃げてきた
「めいわくだ」「こわい」「お金がない」「体力の問題」
もうどうでもいい
自分の逃げ道を塞ぐんだ、欠席連絡を入れたらもう戻れない
病院に行かないといけなくするんだ
お金を受け取ってしまえばもう止まれない、親への裏切りになるから
体力だったら、学校に行かない課題をやらない日は十分にあるはずだ
今日を以て私は不調の原因を特定する、特定できなくても改善する
決まってしまっては一瞬だ
駆け出している、それは前に行く足じゃない、逃げる足、今まで錆びついていた足
心の中の督戦隊は沈黙した、取り返しがつかない所まで来て諦めた
死が近いんかもしれないんじゃワタシも納得したみたいだ、わたしはただこの苦しみを終わらせたい
この行動が、逃げるための足が動くことが、自殺じゃなくて本当に良かった、もっと手前に逃げる手段はあるんだから
きっと、「すせも」を救うとしたらこんな展開だろうな
ただし彼女には、私と違って仲間がいるんだ
でも、彼女もまた「逃げることから逃げている」
今日逃げることができた私は、逃げる選択をしたすせもと重なった
ずっと、キャラクターが作者にすら拒否してきた救いは、作者が求めてることだった
だから作者が救われない限り、キャラクターは救われない
そして⋯私はその180°転回した一歩を踏み出して、もう戻れないと駆け出した
駆け出した私は、腕を引かれる決断をしたすせもにそっくりだった
バスに乗る、もう授業時間には絶対間に合わない
チームはきっと混乱するだろう、知ったことか、私に頼り切った罰と思え
大学最寄りの駅に着く、運がいいことに次の列車は私が降りる駅に止まる
電車の椅子に座る、都会だから戻ろうと思えばどこかのホームで降りて学校に引き返すことだってできる
でもしない、もう戻ったところで無駄だ、無駄にしたんだ
乗換駅、あと一度電車に乗るともうすぐ行きつけの病院だ
車窓から見える空は曇り空、陰鬱な、って表現したいところだけど、今の私には描かれるのを待つ白紙のページに見える
というか快晴だったらちょうどよかったのに、自然ってのは人間の都合を一切気にしない
物語はきっと続いていた、私は筆を握り続ける勇気がなかった
私は筆をとった
私は、もう一度描きなおした
それがハッピーエンドになるのか、バッドエンドになるのか、またわからなくなった
だって、ハッピーエンドの可能性ができたのだから
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