一人っ子で独身の私。
いつか誰かと結婚するのだろうと思っていたのに、気がつけばもう51歳。誰とも巡り合わないまま、ここまで来てしまった。
両親と犬と私、4つの命で暮らしていた家。
小さくて狭い家だと思っていたのに、父が亡くなって母と私と犬だけになると、急に広く感じた。
寂しかったけど、母と二人で生きていこうと、お揃いのお皿を買った。
月を見上げる2羽のウサギが描かれているお皿。
これは私とお母さん。
これから2人で頑張ろうね。
あのときの気持ちは、今も忘れられない。犬も私たちに毎日笑顔をくれていた。
でも11年一緒に過ごした犬も旅立ってしまった。
母と二人で泣いた。小さな犬だったけど、本当に大きな存在だった。
本当に母と私だけになってしまった。
母とたくさん話をして、悲しみをなんとか越えてきたけれど、3年がたって母は余命を宣告され、入院した。
家に帰れば、とうとう一人。
会話もない。笑顔もない。
家の中がこんなに広くて、こんなに静かだなんて思わなかった。
帰宅したとき、わざと大きな声で「ただいま!」と言う。
昔は犬が飛び出してきて、そのあと父が「おかえり」と言ってくれて、母も台所から「お疲れさま」って声をかけてくれた。
今はただ、シーンとした空気だけ。
誰も応えてくれない。
寂しい。孤独だ。
まだ母が病院ではあるが、この世にいるから頑張れている。
でも、母がいなくなったら、私はどうなるのだろう。
3人が2人になるのと、2人が1人になるのがこんなにも、違うのかと怯えている。
本当に私はひとりで、この寂しさや不安、孤独と戦えるのだろうか。
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