その人の配慮が好きです。
年長者だから、引き出しが多いだけかもしれない。
後輩への、当たり前の配慮なのかもしれない。
でも優しくて。
ある時、突然、社内でインタビュー依頼がありました。
白羽の矢が立ったのは、隣の部署の新人と、よく分からない自部署のおばちゃんの私でした。
人選は不明。おそらく、社内イベントの参加数が多い人から無作為に選ばれたようでした。
私は動揺。
社内イベントはボランティアのような自主的なもので、回数は自動集計されてそれなりに多いことは知っていました。
でも、正直私は目立つのが苦手です。
それが他部署、自部署の偉い人まで入って、突然社内報に載せたいから取材させてくれないか?と飛んできました。
動揺して、でも繁忙期で、動揺を隠して仕事をしていました。
そしたら、その人もcc.にいて、メールを見てちょっと困惑した感じで声をかけて来られました。
このメール何?
打診はあったの?突然?
なんで✕✕さんなの?
私も困惑した顔で、答えました。
私が上位者(業績には関係ないものです)だったことをすごいじゃん!頑張ってるんだよね!と喜びつつ、褒めつつ、
私の顔が曇っていることも察してくれました。
叱咤激励することも、困惑することもなく、ちょっと淋しそうな顔をしながら、
嫌なら断っていいよ?業務じゃないし、負担を感じてやることじゃないから。
そう、穏やかに伝えてくれました。
偉い人には、俺からも経緯聞いとくから。
断るのも俺からで良いから。
そう、いつもと変わらない、飄々としてあっけらかんとした反応でした。
その後は、偉い人には説得される、ちょっと言い争いになると大変でしたが、
その人は、ずっとやらなくていいスタンスを守ってくれました。
偉い人が、どうして嫌なんだ?
と困惑しつつ、責めるような発言をした時も、
私さんは今業務に集中して欲しいんです。
正直、今メンバーが欠けると困るんですよね。
私さんがやりたいならともかく、したくないことに割く時間は無いですね。
そう援護してくれて。
本当は、先輩としては後輩に目立って欲しかったのかもしれない。
組織を考えたら、他部署と対等にやりたかったのかもしれない。
偉い人にいい顔もしたかったかもしれない。私と偉い人の間で面倒だったかもしれない。
私が承諾して、少しストレスを感じて、時間外をして、それで終われば楽だったのかもしれない。
でも本当に飄々としていて。
偉い人が納得して、広報に断りを入れる時も、何も気にして無かったようだった。
俺からでなくていい?大丈夫?
優しかった。
別に好意じゃない。
多分、私以外の誰かが拒否しても、同じだっただろう。
もしかしたら、以前、無理をさせて、私がメンタルを損ねたことを、今でも気にしているのかもしれない。
覚えているのだろうか。
嬉しいはずの主任打診を、長く迎えれなかったその打診を、誰もが早々に問題なく迎える打診を、追い詰められるように辞退したいと伝えた日のことを。
そこから続く、メンタル不調の日々を、今でも自分が無理をさせたせいだと思っているのだろうか。
飄々としているからわからない。
あっけらかんとして。
何があっても、俺はストレス強いから、としか言わないその人の気持ちはわからない。
でも、久しぶりにそのことを思い出した。
単なる後輩に向けた優しさでも、私はずっと感謝しているし、大切な思い出として心に仕舞っているのです。
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