生きたい。
最近、よくそう思う。
だけど、朝の光がまぶしくて、みんなの声がうるさくて、前を向けない。
大体わたしは病んでいて、なにをしても楽しくない、もう死にたい、としか感じることはなかった。
どうして“生きたい”と思ったのかはナゾだけど、とりあえず、生きていたい。
死にたい。でも生きたい。
そんな考えが、頭の中をぐるぐるさまよってる。
だけどさ。
朝は怖くて起きられないし、生きようと思っても、生きるっていう努力に、わたしは向いてない。
みんなの声も、お母さんも、友達も自分も、なにもかも信じられなくなる。
この世界すら、キライになってしまいそうなのに。
それなのに、「生きていたい」。
生きていたいってだけでこんなに悩むなんて、思ってもみなかった。
だから、とりあえず、家はマンションだから屋上に向かってみた。
十二階建てのマンションの頂上は高く、風が吹きつけていた。
ここで、“生きる”か、“死ぬ”か、選択できる。
柵に手を引っかけては戻し、引っかけては戻す。
迷う。
生きていたい。でも、生きていて、得って、ある?
友達からもいじめられて、お母さんからもあきれられて、先生からは叱られて。
わたしに行くアテなんて、ないんだよ。
そう思った瞬間、「死にたい」という気持ちがふくらんで、「生きたい」という気持ちがしぼんでいく。
柵にしっかり手をかけ、柵をまたごうとした。
でも。
…もし死んじゃったら、わたし、将来の夢、叶えられなくなっちゃう。
次、生まれ変わったら人間になれるかも分からないのに。
そう思うと、「生きたい」って気持ちがふくらんで、「死にたい」って気持ちがしぼんでいく。
結局、その日は決めずに終わった。
〇〇〇
次の日も屋上で考えた。
いい答えは出なくて、次の日も、その次の日も、何度も何度も屋上に訪れた。
「生きる」か、「死ぬ」か。
二択だ。たったの二択。
たったの二択なのに、どうしてこんなに時間がかかってしまうのだろう。
今日こそ、決める。
「生きる」か、「死ぬ」か。
わたしは柵に手をかけた。
頭の中が、生と死でいっぱいになる。
この世界すら愛せなくなってしまうのに、生きるのか。
将来の夢が残っているのに、大人になれないまま、死ぬのか。
なにも考えられなくなるほど、わたしは考えた。
ふと、ある会話を思い出した。
―死にたい
―死んじゃダメ
―もう無理だよ
―無理なんかじゃないよ
―この世界すら愛せないんだよ、生きる価値なんてどこにもない
―あるよ!わたしがいる限り、あゆちゃんの生きる価値はある
ぽたり、涙が頬をつたう。
ネッ友が言ってくれた、言葉だ。「わたしがいる限り、あゆちゃんの生きる価値はある」って。
だから、生きたいって思えたのかもしれない。
だから、こんなにも迷っているんだ。
わたしは、キュッと、手すりを握りこんだ。
パッと手を離し、仰向けに倒れる。背中が痛いけれど、気にしない。
空は青くて、雲は流れてる。
明るい日差しが、照らしてる。
笑い声や、悲しむ声も、聞こえてくる気がした。
「……」
わたしは、深くかぶっていたフードを外した。髪の毛が風になびく。
ネッ友の言葉を思い出す。
ちゃんと、もっと、真剣に。
「…生きて、みようかな」
心から、初めてそう思えた。
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小瓶主さんの想いを優しく受け止めてあげてください
♰懺悔りり♰
すごくいい話だった。
というのが正直な感想でした。
死にたいけど、死にたくない、という難しい感情がうまく表されていたな、と思いました。
そして、最後友達の声で生きようと思えたのがよかったです。泣いてしまいました。
短編小説、書くのとても難しいのに、書けるのすごいです。
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