私も大切な人を失くしました。もうすぐ命日がきます。自分がいる世界が、まるで変わってしまったんじゃないかと思うほどの喪失感と、後悔と、もう二度と声を聞くことも、話すことも、触れることもできないという残酷な現実、起きている間の世界が夢であってほしいと・・しばらくはそんな毎日を送っていました。せめて向こうでは楽しく、幸せであってほしいと願いながら。
そんな時に、たまたま本屋さんで「天国から始まる物語」という本が目にとまりました。発売されたのは結構前で、海外の作家さんが書いたものです。小さな女の子とワンちゃんのセピア色っぽい写真の表紙でした。
死んだらどうなるかは分からないし、宗教的な考え方もよく分かりませんが、この本を読んで少し楽になったんです。たとえ作家さんの想像の中での死後の世界でも、また新たな人生が続いていくような感じだったので、そうだったらいいな、そうであってほしいなって希望を少し持てたんです。
数年間、仏壇やお墓に手を合わせる時、いつも必ず「ごめんね」から始まっていました。だけど、私に残してくれた言葉、笑った顔、何気ない話・・沢山心の中にあった。それを一つずつ泣きながら、笑いながら思い出して、やっと最近謝罪や後悔の言葉ではなく、心からの「ありがとう」を言えるようになりました。
時間はかかるかもしれません。私自身毎日「もう死んでもいいや」とかずっと思ってました。こんなにも失うことが辛くて苦しいなんて、気が狂いそうでした。狂ってたかもしれません。いまだに思い出して涙が出ることもあります。
楽になるなら睡眠薬も必要です。私はあまりにも眠れなさすぎて、しまいには倒れてしまったので、頼れるものは頼って下さい。無理に元気でいなくていいです。できることだけで、生きるためだけで。
貴方の心を軽くすることはできませんが、どうか湧き上がる感情も大切にしてください。そしてお体も無理しないでください。
お辛い中、長々と読んで下さってありがとうございました。