10数年越しに辛い記憶を鮮明に
思い出すことってあるのでしょうか…。
中学生の時、あたしは何かと嫌われ者でした。
いじめまではいかないけれど、
沢山嫌がらせも受けました。
中でも1番辛かったのはローファーが片方隠されたこと。
母にちゃんとした革のローファーを買ってもらって、
自分で磨きながら大事に履いていたものでした。
ただ辛かったとはいえ、
10何年も経っていて少しぼんやりとした記憶でした。
つい最近までは。
ある日、突然はっきり思い出したんです。
その日は数少ない友人がたまたまおらず、
1人で下校しなきゃいけなかったこと。
そのままでは帰れないから必死で探したこと。
ローファーは違う学年の下駄箱の上にぶん投げられていたこと。
身長の小さいあたしは身一つでは取れず、
昇降口掃除用のほうきでローファーをはたき落としたこと。
砂まみれのローファーをハンカチで拭いたこと。
最初は自分の思い込みによる捏造かと思ったんです。
"中学時代は辛いものだった"という強い強迫観念が、
記憶を捻じ曲げているんだって。
でもされてもいないことをここまで
リアルにすることは難しい気がします。
人間こんなことって、あるんですかね?
鮮明になるのはいつも辛い記憶ばかり。
いい加減、パニックから解放されたいなぁ。
名前のない小瓶
198979通目の宛名のないメール
お返事が届いています
陽菜太
わかります…
私は小学校の時でしたが、下駄箱の脇に簀が敷いてあって
上履きを片付けて帰って
朝来たら上履きがなかったんですよ
えっ!と思って先生に事情を話しずっと探してたんですけど見つからなくて…
諦めてその日は帰りました。
次の日もやっぱりなくて、まだ2年生だったので意外と新しいのと、お気に入りを買ってもらってたので親にないとは言えず
3日後くらいに掃除で簀をあげたら出てきました。
そしたら仲の悪かった男子2人がヤベッみたいな顔をしたのであぁ…と思いました。
そこから小学校は別にいいものではない…と思い始め、
5年生の時にいじめられて不登校になりました。
最近まで忘れていたのに簀を見るとふと思い出します…
人間って不思議ですね。
(長文すみません)
ななしさん
10年もおぼろげに出来たのだから乗り越えたという認識で良いと思います。
私はこれを乗り越えた‥思い出すたびにそう思い直してみてください。
僕の現在位置
強迫観念それ自体が、過去の記憶を捻じ曲げる(認知を歪ませる)ことはそう簡単にはできないでしょうが、日常生活で体験する何かがトリガーとなって、過去の記憶が突然、鮮烈に思い出されることは十分あり得ると思います。生理的反応の一種だと僕は捉えています。
靴を隠されたり、教科書をゴミ箱に棄てられたり、体操着にハサミを入れられたり。本当に辛いですよね。あの気持は、経験者にしか分からない、なんとも言葉にしがたい虚しさがあります。小瓶主さんのお気持ちは、よく分かるつもりです。
かくいう僕も、小学5、6年生の2年間、クラスの児童たちからみっちりとイジメを受けてきました。周りの児童たちよりも大人びていたことと、思春期に入るのが少し早くて顔の吹き出物に悩んでいたことで、ウザい、キモいという言葉をよく浴びせられていました。
あとは小瓶主さんと似ていますが僕は靴を隠されて、上履きのまま家に帰ったことがあります。その靴は、校舎の裏手にある、高いフェンスで囲まれた変電装置の脇に棄てられていました。
後に聞いた話では、スクールカースト上位の児童たちが主導したイジメ行為だったそうです。彼らが僕の靴を棄てて、困った僕の姿を確認して満足し、「最近、靴が無くなる事件がありました。何か知っている人は▲▲先生のところまで来てください」というポスターまで校内に掲示して。2週間ぐらい経ったある日、靴は僕のところに戻ってきましたが、あたかも彼らが靴探しに協力し、偶然発見したかのような体を装っていただけで、すべては巧妙に作られた「自作自演」の劇だったというわけです。
その靴の事件の計画に、実はクラスの児童だけでなく担任教諭も加担していたことを、小学1年生の頃から両想いだった仲良しの女の子が、後でそっと教えてくれました。
その子だけは、僕のことをいじめないでいてくれましたが、その話を彼女から聞かされたとき、「すぐに教えてあげられなくて本当にごめんね。先生がイジメの計画に参加してるのを見て、先生を頼るのは無理だってわかったけど、僕の現在位置の次はたぶん私がイジメのターゲットになるんだと思ったら、すごく不安で。だから言い出せなかった。知ってるのに言わないなんて、同類だよね。ごめんね。」と、辛そうな表情で吐露していたのを今でも鮮明に思い出します。
今でこそ感じますが、家と学校との往復、そんな狭い世界の中でしか生きられない小学生なら、そういう思考になってしまうのも無理はありません。だからその女の子のことを悪く思ったことは一度もないですし、彼女は彼女なりに勇気を出して伝えてくれたんだって思っています。
幸せに暮らしてるかな…
僕の現在位置より
ななしさん
私も自分の記憶を、捏造してるのかなって思うことがあります。
毒親とは言い切れない母がいました、怖かった。優しい人なのに突然手をあげられたとき。でも思い出すのはもっと壮大なこと。
無かったはずなのに、もとからあった記憶みたいにその出来事が私の中で居座ってる。段々嘘か真かも分からなくなるんですよね。それって辛い、苦しい。
まだ私は十数年しか生きていないですけど、数年前の恐怖だったら容易く思い出せます。楽しいは思い出すのに苦労するのに。
解放されたい、たった一言にどれだけの思いが込められてるのか私には想像することしかできません。
でも、頑張って生きてるのだと伝わってきます。
だから、どうかあなたが苦しい思いをすることなく笑える日が来ることを心から祈っています。
以下はまだお返事がない小瓶です。
お返事をしていただけると小瓶主さんはとてもうれしいと思います。