私は創作を捨てます。

何処かに宣言しないと恐らく結局グダグダ書き始めてしまうので、自分に対するケジメという部分でもこの小瓶を流します。
恐らく、私に何か天性の才があるとすればそれは物を書くという事です。
小さい頃から文章を書くという分野で全く何の努力をしなくても常に評価を貰ってきました。
成人してからは文章を書くことを仕事にしていた事もありましたし、私の書いた文章がかなり注目を受けた事もありました。
そして最近、私の能力に大きなブレイクスルーがありました。
それは小説が書けるようになったという事です。
以前は書こうとしても何故か長編になるとどうしても書けなくなってしまっていたのですが、生成AIにプロットの組み方を教えてもらってからというもの驚くほど書けるようになりました。
自分で言い切ってしまうのもなんですが、私の書く物語は面白いです。
元々私自身が良くも悪くも平均的という概念から逸脱した人間という事もあり、私の書く物語というのも読んだ人にこの作者はぶっ飛んでいると思わせる事ができるものです。

しかし、残念ながら私はこれを続ける事はできないでしょう。
何故なら本業に影響が出るからです。
私の本業は株トレーダーです。
なりたくてなった訳ではありません。家には金もコネも知能も無かったので、そんな中で社会の底辺から抜け出す為には投資で稼ぐ以外に道は無いだろうとやるしか無かったんです。
私に投資の才能は……あったとしても恐らく平凡なものでしたが、10年近く命以外のあらゆるものを犠牲に捧げて努力してきたお陰でようやく投資の天才と呼ばれるような方々と張り合える所にまできました。
だからこそ二者択一を迫られている今、私は投資を選ぶ事しかできません。
ここで人間性、健康、人間関係を全て犠牲にして手に入れた投資の道を捨てるという選択は残念ながら私にはできません。
何よりも……見えている報酬の桁に違いがありすぎる……。

これを考えた時に、この社会はつくづくゴミだなと感じざるを得ませんでした。
今の世界では芸術的な創作活動よりも毎日チャートを見てクソくだらないマネーゲームをやる方が遥かに評価されます。
少なくとも報酬を見る限りではそういう話です。

同時に二つの道を歩めないかと、ここ数ヶ月模索し続けてきました。
でもダメでした。
メンタル面や体力的な面から見て２つを同時に行う事は難しかったです。
なので、もうここで本当の本当にキッパリと終わりにします。
このまま両方グダグダやってもどうしようもないでしょう。
私の頭の中身を世に出せなかったというのが残念です。
きっと多くの人に強い影響を与えられたと思います。
物書きとしての自分にはさようなら。
これでお別れです。