ありのままの自分自身を受け入れて愛せず、自分自身ではないものになろうとして破滅して行った小さな不幸な女の子と、それを助ける事のできなかった幼馴染の物語。
あの子を救うには狂って妄想の中に生きるしか方法が無かったのだろうか?
幼馴染の幼姉妹はまだ幼くても、幸福というのは持っているものの数ではなく、心で感じるものだという事がわかっている。
自分自身を受け入れる事が出来ずに自分自身ではないものになろうとする者に待っているのは自己嫌悪と破滅なのかもしれない。
ありのままの自分自身を受け入れて、自分にも出来る事をやって行く事でしか、自分にも手が届く身近な小さな幸せを感じる事でしか、誰かと心を分かち合う事でしか真の幸福は手に入れられないのかもしれない。
トニ・モリスンのいくつかの小説を読むといつもそういった事を考えさせられる。
"青い眼が欲しい"
トニ・モリスン