A国の航空機は軍兵が一人落とされたことにより降下してきた。
俺は腰にかけてあった刀に手をかざした。
お祖父ちゃんから譲り受けた刀。家の物置のずっと奥に埃を被って眠っていた刀。
起こしてすぐで悪いけど、俺の最期に付き合ってよ。
航空機が地上へ着陸した。
空を旋回していた航空機三機も段々と降下してきた。
早く仕留めなきゃ増援が来る。
俺が足止めするからって沢山の人数はきっと無理だ。
、、、時間の問題だ。
俺は腰から刀を抜いた。
刀の先端が日光に反射して光を放った。
段々と俺を囲む人数が増えてきた。
フィナーレには持って来いの演出だ。
嗚呼、でも最期にアイツには会いたかったな。
俺の家から引き連れてきた、俺の相棒。
両親と家畜が死んだときも相棒だけは生き残った。
だけど俺は相棒みたいには生き残れない。
彼奴等に挨拶もしてないな。
”お世話になりました。”
その一言さえも言えなかった。