初めて小説を書いてみました。
無駄に長い上につまらないですが、
暇な方は最後まで読んでもらえれば幸いです。
「霧のかかった迷路」
何時からだろう。
気がつけばここにいた。
霧がかかっていて
よく見えない。
どうやら僕は複雑な迷路に
迷い込んでしまったみたいだ。
どれくらい歩いただろうか。
足が痛い。
本当に出口はあるのか?
そんな不安を押し殺して、
僕は歩き続けた。
何度も何度も
行き止まりに当たった。
何度も何度も
何も無い所で転んだ。
心身ともにズタボロだった時、
独りの少女と出会った。
その少女は迷路の行き止まりに、
ポツンと独りで
体育座りをしていた。
寝不足なのだろうか。
少女の目には大きなくまが
出来ていた。
沢山泣いたのだろうか。
少女の目は腫れていた。
何か辛い事があったのか。
少女は今にも泣き出しそうだ。
僕はそんな少女を放っておけず、
思わず声をかけた。
「君、大丈夫…?」
「どうしたの…?」
「立てる…?」
僕自身も酷く疲れていたけれど、
無理に笑顔を作って、
優しく少女に手を差し伸べた。
ラベンダーのような香りを
身に纏った少女は、震える手で
僕の手を取った。
それから僕たちは、
迷路の行き止まりで、
沢山お話をした。
少女の名前は
「A」と言うらしい。
どうやらAは、
漫画家になるのが夢らしい。
「面白い漫画を描いて、今の私みたいに辛い状況の人達を笑わせたいんだ。」
そう言ってAは僕に向かって
微笑んだ。
僕も続けて話す。
「僕は将来心理士カウンセラーになりたいんだ。それで、自分みたいに辛い状況の人達を救いたいんだ。」
「あははっ、私たち、将来の夢は違っても、辛い人を笑顔にしたいっていう目的は一緒なんだね。」
Aは笑いながらそう呟いた。
僕は少し話を変える。
「ここの迷路なんだけど、訳わかんないよね。果てしない程広い上に霧がかかってて辺りが見渡せないし。」
さっきまで笑っていた
Aが顔を顰める。
「私ね、気づいたらこの迷路にいたんだ。それで、どうにか出口に向かおうと思ったんだけど…。。何をやってもダメで…」
そうか。
Aも僕と同じなんだ。
気づいたらこの迷路にいたんだ。
来たくてこの
迷路に来た訳じゃない。
それが理解できた瞬間、
僕はAに話しかけていた。
「あのね。A。一緒にこの迷路を出よう。一緒に、幸せ(出口)を探そう?」
僕がそう言うとAは頷いた。
そこから長い月日が経った。
いつも通り僕とAが出口を
探していると、
急にAが僕に向かって
こう言った。
「ねぇ、あれ…出口じゃない…?」
Aが指差す方向を見ると、
確かに出口がそこにあった、
でも、その出口を塞ぐように、
高さ訳2メートル程の大きな壁
で塞がっていた。
絶望するA。
無理もない。
高さ2メートルの壁…。
乗り越える方法は…。
僕は必死に考えた。
そして、ひとつの結論に至った。
「あのさ、A。」
僕が話しかける。
「自分の肩に乗って。そうすれば外に出られる。」
「えっ…?でもそれじゃあ…」
Aが不安そうな口調で返す。
「いいから。僕のことは気にしないで。Aだけでも、ここを出て幸せになって。」
「そんな…!!」
Aの頬を涙が伝う。
僕はぎゅっとAを抱きしめた。
「大丈夫。出口は他にあるかもしれないでしょ?自分独りでも探せるから。ねっ?だから大丈夫だよ!」
もちろんこんなの
ただの強がりに過ぎない。
僕だって不安で今にも
胸が張り裂けてしまいそうだ。
それでも僕は続ける。
「この迷路から出て、漫画家になって、辛い人を助けてあげて。Aなら絶対になれるよ。」
その言葉がAの心の中にある
何かを強く動かした。
Aは決心した顔で、僕に言った。
「わかった。私、行ってくる。あと、今までずっと私ばっかり助けられて…ごめん…。。いつか必ず恩返しするから…!!」
そういうとAは、
僕の肩に足を乗せた。
僕は答える。
「ううん。Aが謝る必要ないよ。
こちらこそ、一緒に幸せ(出口)を探してくれてありがとう。」
そしてAは、
大きな壁を乗り越えて、
迷路の外に出て行った。
それからまた長い月日が経った。
Aがこの迷路を出て行って。
僕独りだけになって。
僕は寝る間も惜しんで、
一生懸命、
一生懸命、
他の出口を探しているけれど、
未だに出口は見つからない。
そして、また、
何度目かの"行き止まり"に
ぶつかった。
本当に出口は
あそこだけだったのかも…。。
Aは今頃どうしてるだろう。
幸せにしてるのかな。
僕のこと、忘れちゃったかな。
そんな事を考えたら、
急に胸が痛くなって、
泣いてしまった。
泣いて。
泣いて。
泣いて。
涙が枯れるまで泣いたら、
疲れてその場で寝てしまった。
そして、いつも通り起きて。
普段なら起きたらすぐに
出口を探す僕だけど、
もう、なんだか疲れちゃった。
もう、出口を探す気になんて
なれないよ…。。
その場に座り込んで、
また泣こうとしたその時、
僕の前に人影が現れた。
「君、大丈夫…?」
「どうしたの…?」
「立てる…?」
そこには1人の
女性が立っていた。
何処か懐かしいラベンダーの
香りを見に纏った女性は、
優しく微笑むと
僕に手を差し伸べてくれた。
そして僕は、
その女性の手を取ったのだった。
「霧のかかった迷路」 完
ここまで読んで下さった方ありがとうございます。
良ければ感想お待ちしております。