夢とフラッシュバックの混同。
目の前で起こっている出来事が、「現在」なのか「過去」なのか、はたまた「空想」のものかすら分からない日々。
体感零度の世界。色は既に朽ち、音も遠のいていく。
体は性処理の道具。心は常に愛情を渇望するだけの、言うならば涸(か)れたバケツのようなもの。
それでも生きなきゃ。
「代わりに生きて」と僕にバトンを渡してくれた、あの子のために。
ー偽善者。
偽善者、偽善者、偽善者…。
誰?誰の声?
僕はあの子と約束したんだ。あの子の代わりに、何がなんでも生きなきゃなんないんだ。邪魔しないでくれ。
偽善者、偽善者、偽善者…
永遠に鳴り止まない、偽善者コール。
声の正体は、他でもない僕自身。
「誰かの代わりに」だなんて格好良く言えるほど、僕は優しい人間でしたか?
「約束したから」…その約束が、もしもあの子によって破棄されてしまったら?
「やっぱりもういいよ、私は私で頑張って生きていくから。あんたは自分のために生きて」なんて言われてしまったら?
それでも僕は、「自分のために」歩み続けることができるのでしょうか。
…そんなわけなかろうが。
そもそも…誰かの代わりに生きるだなんて、そのこと自体がおかしいんじゃないのか。
あぁ、
やっぱり無理だ。
無理だ、生きるのなんて。