おはようといえば、
おはようと返ってくる。
ごめんねといえば、
気にしないでと返ってくる。
さよならといえば、
またねと言ってくれる。
そんなみんなの『当たり前』を
私はずっと欲しかった。
私は結局現実世界から逃げ出そうとした。
好かれる自分を作ろうとした。
自分の姿を見られない場所へ
自分の本性がバレにくい場所へ
今までの自分を知る人がいない場所へ
逃げ出そうとした。
遠くへ 遠くへ
……本当は
みてほしかった。
本当の私を
ありのままに受け止めてほしかった。
結局は怖くなった。
臆病な私は
どこへ行ったって
変わらない。
醜い容姿を見られない場所でも
中身まで醜い私は、
結局、綺麗な『誰か』を演じなければ
誰にも振り向いてもらえないのだから。