私は多分貴方のことが好きなんだと思う。
でも、その好きは恋愛とか友情とかそんな形あるものではない…かもしれない。
愛してるというのはどこかむず痒くて…だって私、貴方との付き合いは長くないから。
ただ同じ空間に、同じ世界に、たまたま居合わせて、生きていて。それだけだから。
私、貴方の事全然知らない。貴方だって私の事ろくに知りもしないんでしょ?
…それに知って欲しくないもの。私の真っ暗な内側を見て欲しくない、こわいから。
貴方にもあるんでしょう?誰しもが抱える果てしなく続く暗い闇。
自分でもよく分からないもの。誰かに「こう言うことでは?」「こうしたらいいんじゃない?」と言われたって、素直に受け取れない。
デリケートなことだから。知りたいけど、知ることが出来なくて、知りたくもない。
ううん。私がわがままなだけだよね。ごめんね。
でも、私は貴方を求めているの。
貴方に会うために、貴方と出会うために。
ここへ来て、この砂浜で探し歩いているの。
私が今一番素直になれるこの砂浜で。
みんなの憩いの場であるこの砂浜で。
私と同じことで、またちょっと違うことで悩んでる貴方を。
私の思いを閉じ込めたちっぽけでくだらない小瓶を大切そうに拾い上げてくれる貴方を。
そんな貴方と出会うだけで、私の心は癒されて、生きていていいようにまで思う。意外と私って単純なのよね。
この砂浜で出会えたって、それきりで、次いつ会えるか分からないし、もう会えないかもしれない。
それでも、たった一回でも、こんな私を見つけてくれた貴方が………私は好きだよ。