今回は親友以上恋人未満な関係のSちゃんの話をしていきます。
その子はかれこれ14年以上の付き合いでずっと学校も一緒でした。性格も趣味も何もかも真反対なのに不思議と意気投合して家族の前よりも素で居られるような子です。
ムカつくこと、死にたくなったことがあっても家では愚痴も暴言も吐かないけどSちゃんの前では自然と口が動くんです。
八方美人な私の数少ない本当に信頼して敬愛している子。今まで生きてこれたのもSちゃんのおかげと言っていいです。
高校にあがってすぐにSちゃんの両親と私の両親が同じタイミングで離婚しました。今考えればこれも運命だったのかもしれません。私はお母さんに引き取られたんですがお父さんは唯一の理解者でした。私の夢を無条件に応援してくれて何をするにも「やってみればいい」「好きなことしろ」と言ってくれていて、私はお父さんの考え方が大好きでした。そんなお父さんとも会えなくなり次の日の学校は本当に憂鬱でした。でも私は何とか笑顔で乗り切ろうとしてました。だって、泣いたりテンションが低くてノリが悪かったら嫌われちゃう…、こんな考えしか出来ないんです。
学校について席に着くといつも元気なSちゃんが泣きそうな顔をしながらだきついてきました。話を聞くと昨日Sちゃんの両親も離婚してしまいお母さんは遠く離れた所へ行ってしまったそうなんです。保健室でその話を聞いているうちに私まで泣いてしまって、本当は話すつもり無かった私の親の離婚話をほとんどなんて言っているか分からない言葉で話しました。Sちゃんはただ頷いて聞いてくれて自分も辛いはずなのに慰めてくれました。
こんな感じでお互い支え合いながら生きてきたんです。
でも、ある日Sちゃんがお母さんの所に行くと言ってきたんです。
なんで?どうして?
え、いなくなっちゃうの?
おかしいよ、いかないでよ
おいてかないでよ
独りはやだよ。
さみしい、つらいよ
いなくならないで
そばに居てよ
そんな言葉が頭に溢れましたが私はグッと飲み込んで
「いってらっしゃい」とだけ言いました。
だってSちゃんには幸せになって欲しい。Sちゃんは私なんかよりももっといい友達を見つけられるはずだから、私の所なんかで引き止めてちゃだめ。
見送りの日も結局最後まで泣かないで涙をこらえました。Sちゃんから見たら薄情な奴だったでしょう。笑
もう、Sちゃんとはしばらく会えません。
この14年毎日会っていたのに
あと14年会えないかもしれません。
私は、Sちゃんの居ない生活には耐えられません。Sちゃんが居なくなった今は上辺だけの友達、上辺だけの笑顔、上辺だけの言葉、それだけが残りました。
ねぇSちゃん、あなたは私が居なくなったら泣いてくれますか?死なないでと言ってくれますか?
私は、Sちゃんにはもっともっと気の合う人がいると思います。趣味も性格も合う素敵な子が。
直接は言えないけど、どうか私を忘れないでください。
頭の隅の隅でいいです。写真を見てこんなやつ居たなぁ、ぐらいに思い出してくれれば十分です。
Sちゃん、あなたは私が1番愛した親友。
どうか新しい土地で今までよりも幸せを掴んでください。