一般的な非正規雇用者を年収200万-250万の集団として捉えてみます。中でも多いのが40代-50代の中年男性です。働き盛りで、自信もあって、性欲も盛んです。そこに若者がぽつんと一人働くところを想像してみましょう。
若者は若者らしく、怖いもの知らずで、性欲も盛んで、彼らと争うとしてみましょう。すると、どうなるでしょう。多数を占めるおっさんの嫉妬によって若者はいじめられる、という構図が自ずと見えてきます。
年収200万-250万という平均年収以下としてしか社会評価を受けていないおっさんにとって、その自信やプライドは、実はとても不安定な状態にあります。似た立場のおっさん同士で寄り合って仕事をしていれば、目隠しされて気づかないでいられる状況も、将来性のある若者が現れれば、気づきたくない現実にも気づいてしまうものです。その嫉妬たるやは、言葉では言い表せないほどです。
若者の非正規の平均年収は2001年では140.4万円(リクルート調べ)でした。今は150万かそれくらいだと思います。若者は一般的な200万-250万よりも、110万-200万未満に広く多く分布しています。そこには、仕事に就いたり、辞めたりを繰り返して、年収が不安定になっている若者の存在があるというのを読み取る事ができます。
彼らは月15万円貰う生活保護受給者よりも収入が少ないのです。
生活保護受給者の多くは働けない高齢者です。若いのだから働けと、社会は当然要求します。しかし、新しい職場で待ち受けているのは、40-50の働き盛りで、自信もあって、性欲も盛んなおっさん集団です。俺も34になりますが、おっさんの立場を理解し始めています。
自分より若いやつが、自分と同じ仕事をして、同じ給料を貰っているという状況を想像してみたのです。その若いやつが憎く思えてしまいました。そのような状況でどうにか修羅場をくぐり抜けておっさんの仲間入りを果たした俺は、同じ仕事をして、同じ給料を貰う若者を当然いじめるのです。
仕事を追われた若者は、実家というセーフティネットがあれば年収110万未満でも生活できるので、自分の居場所が見つかるまで仕事を何度も変えてゆく事ができます。一方で、実家を頼れない若者もいます。中でも、雇用保険、年金、医療保険も払わず(払ってない事さえ知らず)生活している若者は、収入を失えば、社会のセーフティネットは何もありません。生きるためにはどんな事だってするでしょう。
このような社会の実態を書き出して、誰が悪いのか、何が悪いのか、と責めるつもりはありません。では、なぜこんな事を俺が書くかは、俺よりも第三者の方がよく分かっているのでしょう。俺もあなたと同じ、生きてゆくために知恵を働かせている人間なのです。