ごめんなさい。
優しい人も趣味が合う人も面白い人も、私の苦手な音を出してたら誰であろうと拒絶してしまう。
クラスメイトの男の子。
優しくて面白くて、すごく性格が良い子なの。
でも、その子鼻水をすする癖があってね。
本当に素敵な人で、本当に素晴らしい人なのに、どうしても「いやっ!!!」って思っちゃう。
私も鼻炎持ちだから、わかるの。
ティッシュで鼻かむのも恥ずかしいし、いっぱい捨てるときも恥ずかしい。
鼻すする方が楽だってわかるの。
でも、私嫌なの。
私はその音が耐えられないの。
ごめんね。
どんなに優しい人でも、素敵な人でも、どうしても耐えられない。
家族も友人もクラスメイトも他人も。
誰であっても許せない。
こんな人間になりたくなかった。
音嫌悪症なんて、なりたくなかった。
世界には苦手な音が多すぎる。
それに対する拒否反応が酷すぎる。
みんな軽くしか考えてないから、みんなわかってくれないから、どうしようもないの。
誰にも言えないし、誰にもわかってもらえないし、誰にも許してもらえない。
私は異端者でしかないから。
お母さんにもお父さんにも家族にも友達にも教えられない。
だって、わかってくれないんだもん。
お医者様にも罹りたいけど、お母さんは絶対に許してくれない。
お母さんは、そういう私は嫌いだろうから。
音嫌悪症なんだよ。
きっと病気なんだよ。
私が異端で、おかしくて、だめな人間だってのは十分すぎるくらい理解してる。
でも、私は異端だけどおかしいって言われるのはやっぱりいやなんだよ。
つらいんだよ。
苦手な音を避けるため、神経すり減らしながら頑張ってる。
イライラしても、怒りをぶつけて不快にさせないように我慢してる。
手に爪食い込ませたり、口内噛んだり、爪で手首軽く掠めたりしてる。
えらいでしょ。
食事中に席を立ってトイレ行ったフリしたり、食べるタイミングに合わせて違和感がないように耳を塞いだり。
ねぇ、ちゃんと自衛してるんだよ。
「我慢しろ」って言われてもさ、私は我慢して我慢して我慢して我慢して我慢して我慢して努力して努力して努力して自衛して自衛して自衛して自衛してるんだよ。
私は精一杯自衛して、相手を不快にさせないように努力して、すべて我慢して、それでも足りないっていうの?
苦手な音しかない世界に生きていけると思う?
私がどれほど一生懸命自分と相手と周りを不快にさせないために頑張ってきたと思う…?
ドラマもアニメも面白くて、見てたいけど、苦手な音は出てきちゃうんだよ。
日常生活に支障が出るの。
私が悪いのはわかってるけどさ、私はこうやって生きたかったわけじゃないよ。
好きな曲も聴けない、好きなアニメもドラマも見れない、大切な人と食事もろくにできない。
こんな小瓶、流すつもりじゃなかったのに。
長々とした小瓶で、不快にさせたらごめんね。