あんなに楽しかった勉強が怖くなってしまった。
突き詰めたい、もっと勉強したい専門分野があったから、私なりに高校生活も受験勉強もがんばって、第一志望ではないけど大学に受かった。
大学の専門科目を学ぶことは楽しかった。
講義によってはこんなのやってもなあ……と思うときはあったけど、知らないことを知るのは楽しかった。
試験も範囲が膨大でつらかったけど、なんとかした。
今は卒業研究が大詰めで、残りは卒業論文を書くだけ。
来年度から大学院生になることも決まっている。
院生になったら専門のさらに専門を突き詰めることができる。当時は楽しみで仕方なかった。
でも、今は何もかもが怖くて仕方ない。
怖くて仕方なくて、卒業論文の執筆が進まない。論文も読みたくない。
薬を飲んでも治らない吐き気や胃痛、頭痛に一日中苦しんで。
自分のできなさに泣いて。
自傷行為に走って。
包丁を自分に突き刺す程度さえできない勇気のなさに絶望して。
同期はとっくに進んでいる。
進んでないのはおれだけ。
迫る締切。
大学に行きたくない。
大学が怖い。
日の目を浴びたくない。
誰とも会いたくない。
心が弱いおれには向いてなかったのかもな、大学も研究活動も人生も。